中部近畿産業保安監督部近畿支部 > 事故災害等情報 > 電気事故情報 令和5年度
中部近畿産業保安監督部近畿支部 電力安全課
●:更新部分(令和5年11月30日)
No. | 発生年月 | 事故種別 | 概要 | 原因 | 再発防止対策 |
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1 | R5.4 | 波及事故 |
受電キュービクル内のLBS1次側にヘビが引っかかり地絡が発生した。保護範囲内であったが地絡継電器が動作せずPASが開放されなかったため、波及事故に至った。 供給支障電力:149kW、供給支障時間:63分 |
他物接触(鳥獣接触) | ・キュービクル内部の配管の小動物の侵入口を塞ぐ。 ・PAS、DGR、引込ケーブルの取替を実施する。 ・点検を実施する毎に、キュービクル内の小動物侵入口がないか確認する。 |
2 | R5.4 | 波及事故 | 地下電気室内の天井から漏水した水滴が、受電用断路器の中相にかかり断路器本体とフレーム間にて地絡した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。 (1回目)供給支障電力:1,003kW、供給支障時間:103分、(2回目)供給支障電力:1,045kW、供給支障時間:85分 |
その他(その他) | ・電気室内の天井から漏水した場合でも波及事故に至らないように電気室内の一部にスレート屋根を施工する。 ・受電用高圧ケーブル、受電用断路器、受電用計器用変圧器を更新する。 ・電気室への漏水箇所について改修工事を検討する。 |
3 | R5.4 | 波及事故 | 高圧引込みケーブル(CVT、2013年製)で地絡が発生した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。詳細な原因は調査中。 供給支障電力:704kW、供給支障時間:72分 |
事業者において調査中 |
No. | 発生年月 | 事故種別 | 概要 | 原因 | 再発防止対策 |
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4 | R5.5 | 波及事故 | 近隣への落雷により高圧引込みケーブル(CVT、1997年製)にサージが侵入し、ケーブルの経年劣化部より地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。 供給支障電力:1,093kW、供給支障時間:66分 |
保守不備(自然劣化) | ・当該ケーブルの取替えを実施する。 ・零相変流器、高圧地絡継電器、高圧開閉器、進相コンデンサーを更新する。 ・単相トランス1台、三相トランス2台の絶縁油交換を行う。 ・キュービクルの表面再塗装と点検窓の防水パッキン交換を行う。 |
5 | R5.5 | 波及事故 | 高圧引込みケーブル(CVT、1995年製)のストレスコーン部分で火花が発生して焼損。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。メーカーによる調査の結果、原因は、水トリ―による絶縁低下と推定される。 供給支障電力:253kW、供給支障時間:86分 |
保守不備(自然劣化) | ・耐用年数に近づいた機器について、計画的に更新する。 ・点検結果等を鑑みて計画的に事故防止に努める。 ・PASの設置を検討する。 |
6 | R5.5 | 感電外負傷事故 | 作業員が電気室内の低圧配電盤の上部で作業中に、誤ってドライバーを盤上部の穴から差し込んで短絡させたことにより、アークが発生した。アークは作業していた場所から離れたところで発生し、その近くにいた別の作業員が火傷を負い入院した。 | 故意・過失(作業者の過失) | ・通電中の電気盤における全ての作業を対象として、活線近接作業範囲のリスクを評価し、作業許可を得るように規定を改訂する。 ・作業許可を得た作業の最中にイレギュラーが発生して作業内容の変更が必要になった場合は作業を中断し、再度リスク評価を行い作業許可を得る。 ・通電している電気盤全てに通電中の表示を行うことを規則化する。 ・通電部分の短絡防止治具に「通電部分のため取り外し禁止」の文言を表示する。 ・周知、教育を行う。 |
No. | 発生年月 | 事故種別 | 概要 | 原因 | 再発防止対策 |
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7 | R5.6 | 波及事故 | 風雨により構内柱(2020年設置)が折れ、PASの一次側で地絡が発生したため、波及事故に至った。調査の結果、原因は、トラックが通過したときの巻き込み風圧により倒れたものと推定される。 供給支障電力:917kW、供給支障時間:70分 |
設備不備(施工不完全) | 構内柱の仕様強度を変更する。 |
8 | R5.6 | 破損事故 | 屋上設置のPAS(2009年製)に水が浸入したことにより相間短絡したため波及事故に至った。調査の結果、原因は、PASの気密性能劣化により内部に水が蓄積し、絶縁劣化を起こし、充電部間の短絡、地絡が発生した。 供給支障電力:1,194kW、供給支障時間:131分 |
保守不備(保守不完全) | ・保安規程に定めた頻度で年次点検を実施する。 ・更新したPASの気密性能低下を防止するため、シール剤の充填を行う。 ・年次点検結果に基づく主任技術者のアドバイスに従う。 |
9 | R5.6 | 破損事故 | 大雨により土砂崩れがあり、法面が崩壊し、架台7基が破損した。詳細な原因は調査中。 | 事業者において調査中 | |
●10 | R5.6 | 破損事故 | 大雨によりPCS(2014年製)、太陽電池モジュール(2015年製)が水没し使用不可能となった。 | 自然災害(水害) | 地表より約1200mmの高さにPCSを設置することを検討する。 |
11 | R5.6 | 供給支障事故 | 変圧器の内部異常により保護リレーが作動し、供給支障事故に至った。調査の結果、負荷時タップ切換装置の部品折損により内部で短絡していたことが判明した。 供給支障電力:62MW、供給支障時間:372分 |
設備不備(製作不完全) | ・当該部品の品質管理項目を追加する。 ・外注先工場に対して、品質監査を実施する。 |
12 | R5.6 | 波及事故 | 高圧引込みケーブル(2014年製)が絶縁低下により地絡し、保護範囲外であったため波及事故に至った。メーカーによる調査の結果、原因は、受電用高圧ケーブル赤相の水トリ―による絶縁低下と推定される。 供給支障電力:1,388kW、供給支障時間:76分 |
保守不備(自然劣化) | ・構内柱の設置と柱上高圧気中開閉器(PAS)と地絡方向継電器(DGR)の取付を検討する。 ・高圧ケーブル取替時は水トリ―に強い3層同時押出(E-Eタイプ)とする。 |
No. | 発生年月 | 事故種別 | 概要 | 原因 | 再発防止対策 |
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13 | R5.7 | 波及事故 | 高圧引込みケーブル(CVT 1995年製)が絶縁低下により地絡し、保護範囲外であったため波及事故に至った。詳細な原因は調査中。 供給支障電力:1,186kW、供給支障時間:68分 |
事業者において調査中 | |
14 | R5.7 | 波及事故 | 高圧引込みケーブル(CVT 1998年製)で地絡が発生し、保護範囲内であったが保護継電器が動作しなかったため、波及事故に至った。現場確認の結果、高圧引込みケーブルの絶縁劣化が判明した。高圧引込みケーブル端末の被覆に亀裂があり、絶縁不良を起こしたものと推定される。 供給支障電力:1,790kW、供給支障時間:48分 |
保守不備(自然劣化) | ・更新推奨時期を過ぎている他の機器についても、早急に取替工事をするように社内で検討する。 ・DGRの最小動作電圧の整定値の変更を実施する。 ・過去の保安教育で使用した内容ついて、再教育し、更新推奨時期を経過した機器の取替の重要性について指導する。 ・次回のケーブル取替を10年後として、予算計上等を実施する。 |
15 | R5.7 | 波及事故 | 屋内受電キュービクル内のVCBの端子部にヘビが引っかかり地絡が発生した。保護範囲内であったが地絡継電器が動作せずPASが開放されなかったため、波及事故に至った。 供給支障電力:1,230kW、供給支障時間:249分 |
他物接触(鳥獣接触) | ・小動物侵入の可能性がある箇所を塞ぐ。 ・定例点検時に鳥獣が侵入する恐れのある箇所の有無を確認する。 ・地絡継電器を交換する。 |
16 | R5.7 | 電気火災事故 | 豪雨により、発電所内で発生した崩落に架台ごとソーラーパネルが巻き込まれ接続箱主管ブレーカーを切っていた。崩落から約1ヶ月半後、土砂から見えるパネルの一部が焼損し、崩落によりその上に載っていた樹木ごと炭になっているのを確認した。 | 自然災害(風雨) | ・破損したパネル及びパネル回路は、速やかに撤去する。 ・パネル上には、落ち葉等の可燃物を放置しない。 ・接続箱の主幹ブレーカーだけでなく、子ブレーカーも開放する。 |
17 | R5.7 | 社会的影響を及ぼした事故 | 受変電所において一次側の母線の地絡、短絡が発生した。この影響により設備への給電が停止したため、長時間設備が使用できなくなり、社会的影響を及ぼした。 | 事業者において調査中 | |
18 | R5.7 | 波及事故 | 高圧引込みケーブル(2016年製)が絶縁低下により短絡し、出迎え方式で保護範囲外であったため波及事故に至った。メーカーによる調査の結果、原因は、高圧引込みケーブルの水トリ―による絶縁低下と推定される。 供給支障電力:1,384kW、供給支障時間:63分 |
設備不備(製作不完全) | ・高圧ケーブル更新時に水トリー現象に強いE-Eタイプを採用する。 ・PASの設置を検討する。 |
19 | R5.7 | 波及事故 | 高圧引込みケーブル(CVT 2013年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。詳細な原因は調査中。 供給支障電力:1,598kW、供給支障時間:99分 |
事業者において調査中 | |
20 | R5.7 | 感電外負傷事故・波及事故 | 工事中、作業員が誤って受電用高圧ケーブル配管と受電用高圧引込みケーブルを切断したことで、短絡アークにより火傷した。また、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。 供給支障電力:1,559kW、供給支障時間:55分 |
故意・過失(作業者の過失) | ・作業前の事前ミーティングを徹底し、作業場所の確認を全作業員にて確認させる。 ・主任技術者から保安教育を受け、電気工事以外の工事についても連絡し、必要な指導や助言を受ける。 ・高圧ケーブル用保護配管に”注意 高圧ケーブル”の表示を行う。 ・PASの設置を検討する。 |
No. | 発生年月 | 事故種別 | 概要 | 原因 | 再発防止対策 |
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21 | R5.8 | 波及事故 | PGSが老朽化による絶縁低下によって内部短絡し、保護範囲外であったため波及事故に至った。NITEによる調査の結果、原因は、更新推奨時期を超えた使用による、PGS内部絶縁劣化が原因と推定される。 供給支障電力:866kW、供給支障時間:57分 |
保守不備(自然劣化) | ・PASを設置する。 ・電気工作物の推奨耐用年数と点検結果を鑑みて計画的に機器を更新する。 |
22 | R5.8 | 破損事故 | 落雷(誘導雷)により、パネルが390枚(約150kW)破損した。詳細な原因は調査中。 | 事業者において調査中 | |
23 | R5.8 | 波及事故 | 高圧引込みケーブル(CVT 2008年製)が絶縁低下により地絡し、事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。詳細な原因は調査中。 供給支障電力:706kW、供給支障時間:415分 |
事業者において調査中 | |
24 | R5.8 | 波及事故 | 台風7号によってキュービクル内部に雨水が浸入、LBS(1996年製)が結露して絶縁が低下、地絡し、PAS、HGRも作動せず波及事故に至った。調査の結果、当該LBSは不具合リストの機器であることが分かり、また、更新推奨年を超過しており、絶縁抵抗値が低下していたことが原因と推定される。 供給支障電力:689kW、供給支障時間:776分 |
保守不備(保守不完全) | ・不具合機器リストに記載のあるもの、また更新推奨年を過ぎた機器改修工事計画を立て、改修を行う。 ・PAS、HGR、高圧引込みケーブルを更新する。 |
25 | R5.8 | 破損事故 | 積雪により太陽光発電設備(250kW)の約3割のパネルと架台が破損したのを4月の点検で確認した(事故報告無し)。その後休止しそのままの状態となっていたため、台風により約2,3割のパネルが落下した。詳細な原因は確認中。 | 事業者において調査中 | |
26 | R5.8 | 波及事故 | 雷雨の中、高圧引込みケーブル(1989年製)及びLBSが絶縁低下により地絡し、出迎え方式で保護範囲外であったため波及事故に至った。 供給支障電力:345kW、供給支障時間:110分 |
保守不備(保守不完全) | ・電気工作物の推奨耐用年数と点検結果を鑑みて計画的に機器を更新する。 ・PASを設置する。 |
27 | R5.8 | 供給支障事故 | 雷により配電線事故が発生したが、設計時に変圧器の整定値設定を誤っており、線路保護リレーより変圧器リレーが先に作動したことで、供給支障事故に至った。 供給支障電力:16.1MW、供給支障時間:226分。 |
設備不備(製作不完全) | ・変圧器保護継電器の整定方針について整定検討者にとって明確に読み取れる表現に変更する。 ・変圧器保護継電器の製造メーカー・型式毎に整定検討書の標準化を行う。 |
28 | R5.8 | 波及事故 | 計器用変圧器が焼損したことにより地絡し、DGRも焼損したため、PASが動作せず波及事故に至った。落雷があったことから雷によるものと推定。 供給支障電力:345kW、供給支障時間:110分 |
事業者において調査中 | |
29 | R5.8 | 波及事故 | PASが焼損短絡し、保護範囲外であったため波及事故に至った。調査の結果、原因は、SOG制御装置用の電源が小容量にもかかわらず、他の事業所に無断で電源が取られ、その使用量が当該電力容量を超過したことによりPAS内蔵のVTが焼損したと推定される。 供給支障電力:410kW、供給支障時間:51分 |
故意・過失(公衆の故意・過失) | ・SOG制御ボックスを施錠する。 ・無断使用を防ぐ意識をもってSOG制御装置を管理する。 |
No. | 発生年月 | 事故種別 | 概要 | 原因 | 再発防止対策 |
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●30 | R5.9 | 波及事故 | 改装工事中に撤去予定ではなかった高圧引込みケーブル配管を誤って切断したため地絡し、高圧引込みケーブルが出迎え方式で保護範囲外であったため波及事故に至った。 供給支障電力:1,189kW、供給支障時間:43分 |
故意・過失(公衆の故意・過失) | ・工事業者には作業前事前ミーティングを徹底し、作業場所の確認を全作業員に認識させる。 ・高圧引込みケーブル保護配管に注意喚起シールを貼付する。 ・PASの設置を検討する。 ・工事の計画があるときは電気設備に影響がないか事前に電気主任技術者と相談する。 ・工事の際は電気主任技術者に一報連絡することの重要性について保安教育を実施する。 |
●31 | R5.9 | 破損事故 | 落雷によりPASが焼損し、保護範囲外だったため波及事故に至った。 供給支障電力:1,130kW、供給支障時間:91分 |
事業者において調査中 | |
●32 | R5.9 | 波及事故 | 落雷によりVCBが焼損し、出迎え方式で保護範囲外だったため波及事故に至った。 供給支障電力:2,025kW、供給支障時間:110分 |
事業者において調査中 | |
●33 | R5.9 | 波及事故 | PAS二次側にヘビが引っかかり地絡が発生した。保護範囲内であったが地絡継電器(1993年製)が動作せずPASが開放されなかったため、波及事故に至った。 供給支障電力:527kW、供給支障時間:79分 |
他物接触(鳥獣接触) | ・PASを更新する。 ・地絡継電器を更新する。 |