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 使用前自主検査の実施について

 
 
 
○検査体制
 
 使用前自主検査は、 電気主任技術者によって行われ、機器などの試験実施については電気主任技術者の指示に従い試験を進めることとなるので、検査を行う自家用電気工作物設置者は当日の検査体制を確立しておく必要がある。
 将来、電気工作物を維持、運用する自家用電気工作物設置者及び電気主任技術者が、検査前にその電気工作物を把握し、自らの責任で検査し、試験にあたっても電気主任技術者として指揮監督できるようにしておくことが必要である。
 また、検査当日は、試験のための各々の責任者(総括、操作、記録、監視など)を決めておくとともに、直接試験実施に関係ない者がいることもあるので、関係者に腕章などをつけさせ試験の関係者であることが分かるようにした方がよい。

○検査場所の整備

 検査を行う電気工作物が、直前まで工事が行われている場合、工事用の道具や、材料などが散乱し、検査を行うのに障害となる場合がよくあるので、当日は出来る 限り周辺を整理し、検査のための行動に支障のないようにしておくこと。

○検査順序などの周知

 受電所壁面など見やすい場所に、検査順序及び単線結線図を掲示し、検査の進行状況や検査対象電気工作物などについて、関係者が理解しやすいようにしておくことが事故防止上望ましいことである。

○書類、図面

 検査当日は工事計画の書類及び図面の控え、製造者の設計図及び試験成績書、予備試験データ、など関係図面書類並びに技術基準書を準備しておくこと。

○検査順序

  (1) 工事計画書との比較確認
(2) 工事材料及び工事方法などの技術基準の適合状況の検査
(3) 接地抵抗測定
(4) 絶縁抵抗測定
(5) 絶縁耐力試験
(6) 保護装置試験
(7) 遮断器関係試験
(8) 負荷試験(出力試験)
(9) 騒音測定
(10)振動測定
 (11)試充電
 ※前記の検査の順序は電気工作物の設置状況、天候及び所要時間などの都合でその都度きめられるので、円滑に行えるようにされたい。
 

○検査上の注意
 一般的に受変電所の検査が多いので、この試験実施にあたって問題になる点をあげると

 1.受変電所の目視検査

 最初に竣工した電気工作物が工事計画どおりできているか、また電気設備の技術基準に適合するものであるかどうかについて目視検査を行うが、技術基準の適否で留意しなければならないものは主に次の点である。


(1)高圧又は特別高圧の機器等の充電部に取扱者が容易に触れる恐れがな
いか。
(2)高圧又は特別高圧の機器等を設置する配電盤の裏面に適当な巡視通路があるか。
(3)屋外用受電所等の周囲に危険防止柵が設けられているか、また柵と充電部の離隔は十分か。
(4)受変電所の出入口に関係者以外の立入を禁止する旨の表示がつけてあるか。
(5)受変電所の照明は適当な照度であるか。
(6)必要な箇所に接地工事が施されているか、またその工事方法は適当か。
(7)アークを発生する恐れがある機器と可燃性の造営材との離隔は十分か。

 2.接地抵抗測定

 接地抵抗値は技術基準では、A種及びC種は10Ω以下、D種は100Ω以下となっているが、B種は1線地絡電流を実測するか又は計算式により計算し、接地抵抗値を決めることになる。

 3.絶縁抵抗測定

 特別高圧、高圧及び低圧電気工作物のそれぞれについて測定するのでJIS C1302「絶縁抵抗計」に定められいる1,000ボルト、500ボルトの両方のメガーを準備しておくこと。

 4.絶縁耐力試験
    絶縁耐力試験については次の注意が必要である。

(1)電源及び使用電線について
 絶縁耐力試験を円滑に行うための試験用電源は、電源容量が十分で、電圧変動の少ないよう注意すること。特に工事用電力を電源とする場合、溶接機の使用と重なると電圧変動が著しいため試験に支障をきたすのでこの安定をはかるような処置をとっておくこと。
 また、電線には適当な太さのものを使用し、電圧降下、過大電流による電線被覆の損傷により試験に支障のないように注意すること。
(2)試験用変圧器
 試験電圧を大きく超えるようなものでなく、適当な電圧を出せるものであること。例えば1次電圧100ボルト/200ボルトで2次電圧5万ボルト又は10万 ボルトの試験用変圧器で3,000ボルトの電気工作物の試験を行うと電源電圧の変動による影響が大きいので、この場合6,000ボルト又は1万ボルト位の電圧を出せるものを準備すること。
 変圧器容量が十分な大きさのものであること。変圧器容量が小さく何回も分割して行うようなことでは、時間的にも無駄であるので、適当な容量のものを使用すること。例えば高圧電気工作物については適当な試験用変圧器がない場合、柱上変圧器の適当な容量のものを使用するなど配慮すること。
(3)電圧調整器
 上記試験用変圧器に見合う適当な容量のものを組み合わせる必要があるが、小容量のスライダックのため試験を何回も分割しなければならないときは、水抵抗を使用するなど適宜処置をとること。
(4)計器
 電圧計、電流計は上記変圧器や充電電流、漏洩電流からみて、適当な目盛りのもので精密級(0.5級)のものを選ぶこと。電圧及び電流が計器の測定範囲を超えたり、また測定できない程大きな目盛りの計器を使用しないよう注意すること。また、校正へ記録を残しておくこと。
(5)監視
 工事終了直後の電気工作物の周辺には、なお他の工事関係者が出入りして、この人達が監視不十分な場合、試験中の電線をくぐり抜けようとして危険なこともあるので、試験開始前に関係者以外の出入りを禁止するための監視人を配置し危険のないよう十分注意すること。
(6)検電
 試験中に試験電圧に見合う適当な検電器で、試験対象箇所を確認し、試験漏れのないよう注意すること。
(7)ケーブルの直流電源による耐圧試験
 高圧及び特別高圧ケーブルを使用した電路は直流電源による耐圧試験を行うことができる。この場合の試験電圧は交流試験電圧の2倍の電圧となる。

 5.保護装置試験

(1)予備試験実施までに各種保護継電器について、それぞれの設置の目的に従い、各種継電器のタップ、レバーの位置を整定しておくこと。このうち電力会社の変電所と密接な関係のある受電用遮断器を動作させる継電器は、電力会社の変電所及び他の需要家との 協調をとる必要があるので、あらかじめ電力会社と打ち合わせておくこと。
(2)電源及び使用電線
 絶縁耐力使用と同様の注意を払うこと。

 6.特別高圧用変圧器の温度上昇試験

(1)変圧器の温度上昇試験は負荷の変動が少なく、全負荷に近い負荷が得られるとき、実負荷によることもあるが、殆どは変圧器のタップ差を利用した返還負荷法によることが多い。この場合の電源は自家用側の高圧電源を変圧器の2次側より入れて行うが、このための高圧工事を別に行わないと出来ないことが多いので、電力会社より特別高圧を受電して行うこととなる。
 従って、検査前に開閉器などの操作順序、試充電の時間、温度上昇試験の時間を打ち合わせておく必要がある。
(2)試験のために変圧器にタップ差を設けるが、計算して仮定しておく必要がある。この場合、試験を深夜に行う場合と昼間に行う場合でいくらか電圧が異なるので、試験時における電圧の予想を電力会社に問い合わせた 上計算しておくこと。

 7.その他

(1)試験前日までに、受電電圧を電力会社に問い合わせの上、各変圧器タップを設定しておくこと。
(2)試充電した場合VT及びGPTの2次回路の誤結線が多いので、あらかじめ低い電圧で充電して2次回路の結線が間違いないよう確認しておくこと。

 

○本件について不明な点は、下記までご連絡下さい。
中部近畿産業保安監督部近畿支部 電力安全課 自家用係
電話 06−6966−6047(直通)