番号 | 事故種別 | 概要 | 原因 | 再発防止対策 |
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1 | 波及事故 | 高圧引込みケーブル(CVT 1997年製)の端末部分で地絡が発生した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。地絡の原因は経年劣化と推定される。 供給支障電力:119kW、供給支障時間:44分 |
保守不備 (自然劣化) | 高圧ケーブルは経年劣化に伴い絶縁抵抗の急激な低下が起こりうることを認識し、更新推奨年を超過する前に、下記に記載するいずれかの対策を検討する。
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2 | 波及事故 | 高圧引込みケーブル(CVT 2011年製)が水トリー現象により絶縁不良となり、地絡が発生した。事故点は構内地絡保護継電器(DGR)の保護範囲内であったが、DGRが動作しなかったため、波及事故に至った。 DGRが動作しなかった原因は以下の二点が推定される。
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保守不備 (自然劣化) | 【高圧引込みケーブルの絶縁不良に関する対策】 次回、ケーブル取替え時は、水トリー劣化に効果の高いCVTケーブル(E-Eタイプ)の採用を計画する。(今回は緊急的に対応したためE-Tタイプにて復旧。) 【DGRの不動作に関する対策】 零相電圧の整定値を変更し、電力会社の地絡保護継電器と保護協調を図った。 【電気保安組織としての対策】
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3 | 波及事故 | 建物2階梁の撤去作業中に、建設業者作業員が誤って油圧ショベルで高圧引込みケーブル(屋側電線路)を損傷させた。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。なお、当該事業場は近日中に廃止予定であった。 供給支障電力:902kW、供給支障時間:29分 |
故意・過失 (公衆の故意・過失) |
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番号 | 事故種別 | 概要 | 原因 | 再発防止対策 |
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1 | 破損事故 | 水力発電所において、発電機起動時に起動渋滞が発生し停止した。原因を調査したところ、調速機デフレクタのサーボドライバ基板の電装部品が経年劣化により焼損していることが判明した。 | 保守不備 (自然劣化) | 当該部品の取替えを行った。 |
2 | 破損事故 | 変電所で275kV母線保護継電器が動作した。ガス絶縁開閉装置(GIS)の外観点検及びガス分析を実施したところ、275kV遮断器において異常が確認されたため、当該遮断器内部の点検を行ったところ、絶縁筒の一部が剥離していることを確認した。 事故原因は、充電された無負荷線路を遮断後、負荷側断路器のみを開放したとき、遮断器の絶縁筒には残留電荷により直流電圧が長時間印可されることとなり、絶縁筒が劣化して破損に至ったものである。 |
保守不備 (自然劣化) |
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3 | 波及事故 | 高圧地中引込みケーブル(CVT 2009年製)が絶縁不良となり、地絡が発生した。PASが設置されていたが、事故時にPASが開放しなかったため波及事故に至った。 ケーブルが地絡した原因は、事故点周辺に水トリーが観察されたことから、水の影響があったものと推測される。PASが開放しなかった原因は、地絡電流がアーク放電により高調波を多く含んだ針状波となっており、地絡保護継電器が地絡を検出できなかったこと等が推測される。 供給支障電力:812kW、供給支障時間:82分 |
保守不備 (自然劣化) | 高圧ケーブル及び高圧機器が絶縁低下した場合は、早急に改修計画を立てる。 |
4 | 波及事故 | PAS(2006年製)において、高圧回路の絶縁が低下、地絡及び短絡が発生し、波及事故となった。調査の結果、原因は以下の通り。
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保守不備 (自然劣化) |
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5 | 波及事故 | 建物の火災によりキュービクル及び高圧ケーブルが焼損し地絡が発生した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。 供給支障電力:437kW、供給支障時間:38分 |
故意・過失 (火災) | 延焼範囲が広大なため、建物を取壊し事業場を廃止とする。 |
6 | 波及事故 | 高圧地中引込みケーブル(CVT 2011年製)で地絡が発生した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。地下配管内に水が溜まっており、事故点周辺に水トリーが観察されたことから、地絡の原因は水トリーと推定される。 供給支障電力:1498kW、供給支障時間:108分 |
保守不備 (自然劣化) |
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7 | 波及事故 | 高圧引込みケーブル(CVT 1999年製)が絶縁不良により地絡が発生した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。地絡の原因は経年劣化と推定される。 供給支障電力:135kW、供給支障時間:105分 |
保守不備 (自然劣化) |
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番号 | 事故種別 | 概要 | 原因 | 再発防止対策 |
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1 | 破損事故 | 太陽電池発電所において、PCS1台(80kW、2019年製)が異常警報により停止し、再起動不能となった。メーカーによる調査の結果、外来サージによるPCS内部の検出回路へのダメージ、もしくは通信ケーブルの長さ不足による接続部へのストレスや接触不良により制御信号の検出が不安定となり、異常警報が発生したと推定される。 | 設備不備(製作不完全) | PCS内部の通信ケーブルを保護する絶縁チューブのインシュロックの固定位置を標準化し、絶縁チューブの両端部で信号ケーブルにストレスが掛からないようにした。 |
2 | 破損事故 | 太陽電池発電所において、PCS1台(80kW、2019年製)が異常警報により停止し、再起動不能となった。メーカーによる調査の結果、外来サージによるPCS内部の検出回路へのダメージ、もしくは通信ケーブルの長さ不足による接続部へのストレスや接触不良により制御信号の検出が不安定となり、異常警報が発生したと推定される。 | 設備不備(製作不完全) | PCS内部の通信ケーブルを保護する絶縁チューブのインシュロックの固定位置を標準化し、絶縁チューブの両端部で信号ケーブルにストレスが掛からないようにした。 |
3 | 感電負傷事故 | 年次点検中、委託された作業者がキュービクル内に設置されているVCBを引き出して清掃作業を行っていたところ、清掃用具がキュービクル奥の充電部(断路器一次側、33kV)に接触し感電負傷した。 被災者は救急車により病院に搬送され、電撃傷などにより数ヶ月の入院加療が必要と診断された。 【原因】
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感電(作業者)(被害者の 過失) |
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4 | 発電支障事故 | 火力発電所において、ガスタービン運転中、「ガスタービン軸振動大トリップ」、「排ガス温度高トリップ」の警報発信に伴い、ガスタービンが自動停止した。内部点検した結果、ガスタービン圧縮機初段動翼及び入口案内翼に破損が確認された。 【原因】 経年使用によるガスタービン圧縮機初段動翼前縁部の肌荒れにより応力集中部が生じ、起動停止時に当該部位に発生する振動応力が長時間にわたり繰り返し作用することにより、疲労割れが発生・進展し、最終的に翼破断・飛散に至った。 |
保守不備 (自然劣化) | 定期的にガスタービン圧縮機初段動翼前縁部の肌荒れ状態の点検及び非破壊検査を実施し、結果をもとに翼の取替えを計画する。 |
5 | 破損事故 | 太陽電池発電所において、PCS1台(500kW、2014年製)が焼損した。 当該PCSには製造不良のコンデンサが使用されていたところ、事故前に発生した地域停電の復旧後、PCSを格納するエンクロージャー内のエアコンが再起動しておらず、エンクロージャー内の温度が上昇したことによりコンデンサの劣化が急激に進行したため、焼損に至ったと推定される。 |
設備不備 (製作不完全) |
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番号 | 事故種別 | 概要 | 原因 | 再発防止対策 |
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1 | 物損等事故 | 受電用引込柱(鉄筋コンクリート柱、1991年設置)が地上約50cm付近で折損し、隣接する駐車場へ倒壊し、第三者が所有するブロック塀及び車両1台を損傷させた。 当該電柱には支線が設置されておらず、架捗線の張力による荷重が電柱の設計強度を上回っていたため、経年的に電柱下部に横ひび割れが発生し、ひび割れから水分が浸入して複数の鉄筋が腐食したことにより、鉄筋強度が低下し、倒壊に至ったと推定される。 |
設備不備 (製作不完全) |
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2 | 感電負傷事故 | 建物解体にあたって見積をする際、PCB含有を確認するため変圧器の銘板を撮影しようとして、キュービクル内の変圧器に携帯電話を近づけたところ、高圧電路に接近し感電負傷した。 なお、当該事業場は廃業予定で電気主任技術者が解任されていたが、受電は継続しており、電気主任技術者未選任状態となっていた。 |
感電(公衆)(被害者の 過失) | 事業場を廃止した。 |
3 | 波及事故 | 計器用変圧器(VT)の二次側配線にある中継端子台(1984年製)が焼損、短絡し、短絡電流がVTを損傷させ地絡が発生した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。 中継端子台が焼損した原因は経年劣化と推測される。 供給支障電力:1,337kW、供給支障時間:117分 |
保守不備 (自然劣化) |
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4 | 波及事故 | 構内の高圧架空電線(絶縁電線)が、柱上の支持物(碍子)との固定部にてバインド線で締め付けられ被覆が損傷していたところに、ヘビが接触し地絡が発生した。事故点直近の地絡方向継電器(DGR)は正常動作したにもかかわらず、制御電源が電圧降下したためVCBを動作させることができず、受電箇所のDGRは零相電圧の整定値が電力会社の地絡継電器と協調が取れていなかったため動作せず、波及事故に至ったと推測される。 供給支障電力:959kW、供給支障時間:95分 |
他物接触 (鳥獣接触) |
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5 | 波及事故 | 計器用変圧器(VT、2014年製)が焼損し地絡が発生した。PASは設置されていたものの、地絡方向継電器(DGR)の電源がVTから供給されていたため、VTの焼損による電源消失によりDGRが不動作となり、波及事故となった。 VTが焼損した原因を調査したが、原因の特定には至らなかった。 供給支障電力:1,017kW、供給支障時間:105分 |
不明 | DGRの電源を電灯変圧器より供給。 |
6 | 感電負傷事故 | 77kV送電線路の鉄塔上にて、作業員が活線用点検ミラー(絶縁棒の先にミラーの付いたもの)を用いて設備点検を実施していたところ、バランスを崩して活線用点検ミラーの背負い用ロープが活線に接触又は接近し、感電した。左半身にやけどを負い病院に搬送されたが、命に別状は無かった。 | 感電(作業者)(被害者の 過失) |
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7 | 感電死亡事故 | 77kV送電線路の架空地線を張り替えるために作業員が鉄塔に昇塔して作業を行っていたところ、充電中の電力線に接近又は接触して感電し、意識不明の状態で病院に搬送されたが、その後死亡が確認された。 鉄塔頂部から引き下ろした架空地線を鉄塔主柱材へ固定するための固定具(クリート)取付用ボルトを締め付けようとして鉄塔外側に出た際、誤って電力線に接近又は接触したものと推定される。 |
感電(作業者)(作業方法 不良) |
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8 | 感電死亡事故 | 停電作業が終了して復電した後、電気主任技術者が受電キュービクル内を確認するため扉を開けたところ、何らかの理由によりバランスを崩した。右ひじの外側が受電ケーブル立ち上がりのケーブルヘッドテーピング部分に接触し、感電した。病院に搬送されたが、死亡が確認された。 | 感電(作業者)(被害者の 過失) |
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9 | 波及事故 | 当該事業場において火災が発生し、高圧引込みケーブルが焼損した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。当該事業場は全焼したため廃止された。 供給支障電力:1,250kW、供給支障時間:168分 |
故意・過失 (火災) | 再建時は、構内第一柱とPASを設置する。 |
10 | 波及事故 | 受電用真空遮断器(VCB、1990年製)において短絡が発生した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。 VCBを調査した結果、3相とも、真空バルブの固定ボルトには溶融痕が、絶縁物にはトラッキング痕が認められたことから、絶縁破壊により短絡に至ったと推測される。 VCBは27年使用されており、メーカーからは、10年以上経過したVCBは定期点検に加え絶縁物内部を含めた詳細な清掃が必要と注意喚起されていたが、少なくとも直近6年間は清掃が実施されていなかった。 供給支障電力:116kW 供給支障時間:84分 |
保守不備 (保守不完全) |
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番号 | 事故種別 | 概要 | 原因 | 再発防止対策 |
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1 | 感電死亡事故 | リフォーム業者の作業員が、一般家屋の引込小柱にハシゴをかけて動力引込線の接続替え作業を行っていたところ、感電してハシゴから墜落し、搬送先の病院で死亡が確認された。 本来は一般送配電事業者が行う引込線工事をリフォーム業者が無断で行っていた。また、被災者はヘルメット及び安全帯を着用せず、素手で作業していた。 |
感電(公衆)(無断加工) | 一般送配電事業者が行う対策として、関係団体(電気工事組合等)への感電事故防止に関するPRの強化を継続する。 |
2 | 感電負傷事故 | 受変電設備の年次点検の際、清掃作業員が22kV受電盤内の清掃をしようとした時に、充電中である断路器1次側の碍子を清掃しようとして感電し、上半身に熱傷を負った。 断路器1次側の清掃は作業範囲外であったが、停電操作のため盤面は解錠されていた。また、現場では充電区域や作業範囲の表示がなく、作業員に対して作業範囲や役割分担について明確な指示もなかったことから、作業員は作業範囲であると誤認し、受電盤内の金網も外した上で作業を行い、感電に至った。 |
感電(作業者)(作業準備 不良) |
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3 | 波及事故 | 高圧引込みケーブル(CVT、1993年製)が経年劣化により地絡した。出迎え方式で保護範囲外のため波及事故となった。地絡の原因は水トリーと推定される。 供給支障電力:1,040kW、供給支障時間:88分 |
保守不備 (自然劣化) | 水トリー耐性の高いEEタイプのケーブルに取り替え。 |
4 | 波及事故 | 高圧進相コンデンサ(1998年製)が経年劣化により焼損し、地絡が発生した。PASは設置されており事故点は保護範囲内であったが、当該事業場の地絡方向継電器が動作せず、電力会社の地絡方向継電器が動作したため、波及事故となった。当該事業場の地絡方向継電器が動作しなかった原因は以下が考えられる。
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保守不備 (自然劣化) |
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5 | 波及事故 | 高圧引込みケーブル(1974年製)の端末部が絶縁劣化し地絡が発生した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。 供給支障電力:2,296kW、供給支障時間:70分 |
保守不備 (自然劣化) |
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6 | 波及事故 | キュービクル内の計器用変圧器(VT)一次側にヘビが接触し地絡した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。 供給支障電力:2,538kW、供給支障時間:114分 |
他物接触 (鳥獣接触) |
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番号 | 事故種別 | 概要 | 原因 | 再発防止対策 |
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1 | 波及事故 | 地中高圧引込みケーブル(CVT、2012年製)が絶縁劣化し地絡が発生した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。 水トリー調査の結果、事故点周辺に水トリーが観察されたことから、地絡の原因は水トリーと推定される。 供給支障電力:1,514kW、供給支障時間:64分 |
保守不備 (自然劣化) | 高圧引込みケーブルを撤去し、低圧受電に切り替えた。 |
2 | 電気火災事故 | 電柱上に設置されている高圧引込開閉器のリード線接続部の端子カバー内に樹木の枝先が入り込み、枝先が充電部に接触して焼損し、端子カバーが溶融した。 事故の約半年前に実施した樹木点検では、樹木とリード線は0.5m離れていたが、約半年の間に樹木が伸長し、風などの影響により樹木枝が端子カバー内に入ったと推定される。 |
保守不備 (保守不完全) | 【緊急対策】
【追加対策】
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3 | 発電支障事故 | 火力発電所の運転中、高圧タービンバイパス弁アクチュエータ(駆動装置)固定用ボルトの脱落を確認した。点検等のため、発電設備の運転を停止させたところ、脱落したボルトの一部に破断を確認した。また、アクチュエータの詳細点検の結果、ピストンロッドの曲がり等を確認した。 【原因】 組立時のボルト締め付け不足、トルク不均一(推測)及び起動停止時等の振動によりボルト緩みが生じ、特定のボルトに荷重が集中し、引張許容応力を超えたことによりボルトが破断した。その結果、アクチュエータに傾きが生じ、ピストンロッド及びカップリングに曲げ応力が作用し、変形等の損傷が生じたものと推定される。 |
保守不備 (保守不完全) |
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4 | 波及事故 | 高圧引込みケーブル(CVT、2011年製)で地絡が発生した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。NITEによる調査の結果、地絡の原因は、水トリーによる絶縁劣化と推定される。 供給支障電力:1,682kW、供給支障時間:72分 |
保守不備 (自然劣化) | 水トリーに耐性の強いE-Eタイプの高圧引込みケーブルに交換した。 |
番号 | 事故種別 | 概要 | 原因 | 再発防止対策 |
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1 | 破損事故 | 太陽電池発電所において、PCS1台(定格79kW、2018年設置)が「DCリレーハードウェア異常」の重故障を検出し、停止した。再起動を試みたが再起動できなかった。メーカーに連絡したところ、本体交換が必要と判断された。メーカーにて原因を調査中。 | 調査中 | |
2 | 感電負傷事故 | 高圧線の接続作業(活線)において、作業者が電線の被覆剥ぎ取りを始めた際、高所作業車のバケット内に倒れこんだため、病院に救急搬送された。診断の結果、左手中指末節部に電撃傷を負い、入院治療した。 被災者は高圧用絶縁ゴム手袋を着用していたが、高圧活線の被覆剥ぎ取り作業中、電線端末切断面で絶縁ゴム手袋を損傷させ、その手袋を着用して高圧活線作業を続けたところ、高所作業車のバケット内に入れ置いていた作業接地器具(接地極に接続)に体が接触したことにより、感電した。 |
感電(作業者)(作業方法 不良) |
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3 | 破損事故 | 太陽電池発電所において、PCS1台(定格100kW、2010年製)に故障警報(電磁接触器溶着)が発生したため、ブレーカーを開放した。調査の結果、電磁接触器の補助接点部に埃が付着して接触不良になったと推測される。 | 保守不備 (保守不完全) | 定期的なメンテナンス時に、電磁接触器の補助接点部の清掃を実施する。 |
4 | 波及事故 | 受電設備の点検後に作業用短絡接地器具を外し忘れた状態で通電させ、短絡事故が発生した。VT内蔵PASが設置されていたが、電源が短絡されていたためSOG制御装置に電源供給できず、PASがSO動作(過電流蓄勢トリップ)しなかったため、波及事故に至った。 供給支障電力:1,264kW、供給支障時間:50分 |
故意・過失 (作業者の 過失) |
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5 | 感電負傷事故 | 地上設置型変圧器の高圧カットアウトヒューズのフタの取り換えにあたり、三相のフタを全て取り外してから、新しいフタを取付けようとして、U相に新しいフタを取付後、右手でV相のフタを取り付けようとしたところ、左手(素手)がW相の露出した充電部に接触して感電した。被災者は病院に搬送され、入院加療となった。 被災者は作業服、保安帽及び安全靴を身につけていたが、高圧絶縁ゴム手袋は着用していなかった。 |
感電(作業者)(被害者の 過失) |
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番号 | 事故種別 | 概要 | 原因 | 再発防止対策 |
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1 | 波及事故 | 年次点検における地絡継電器試験の際、電気主任技術者がVT内蔵PASからSOG制御装置への電源線を外さないまま、継電器試験器によりSOG制御装置に100V電源を印加したため、VTにより高圧電路に6600Vが印加され、さらに高圧電路は短絡接地器具により短絡されていたので、短絡電流によりVTが焼損した。作業を終え復電した約15分後、VTが絶縁不良となり地絡し、地絡箇所が保護範囲外のため波及事故となった。 電気主任技術者は継電器試験の経験があり、本来はSOG制御装置の電源線を外して試験すべきことを知っていたが、短絡によりVTが焼損するおそれがあることを理解していなかったため、電源線をつけたまま試験を行った。 供給支障電力:1,130kW、供給支障時間:81分 |
故意・過失 (作業者の 過失) |
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2 | 感電外 負傷事故 | 高圧受電設備の更新工事を終えて送電する際、作業者が200V回路の検相中、検相器のクリップ同士を誤って接触(短絡)させてしまい、短絡時に生じたアークにより両手及び顔面の一部に火傷を負った。 工事終了予定時間を超過していたため、被災者は検相を急ぐあまり、接触型検相器の1相のクリップ金属部を別の相のクリップ金属部に誤って接触させてしまった。また、防災面や手袋等の防保護具を着用していなかった。 |
感電(作業者)(被害者の 過失) |
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番号 | 事故種別 | 概要 | 原因 | 再発防止対策 |
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1 | 電気火災事故 | 33kV特高架空電線及び6kV高圧架空電線(それぞれ絶縁電線)に、大雪の影響により倒壊した樹木が接触し、当該電線の被覆が損傷し、リークが発生したことにより出火したものと推測される。火災は消防により鎮火された。当該火災により、特高架空電線2条5cm・30cm、高圧架空電線3条各1m程度と、樹木が31cm程度焦げた。 | 自然現象 (氷雪) | 特別高圧架空送電線及び高圧架空配電線の被覆損傷箇所にテーピング処置を実施。今後、電線を張替予定。 |
2 | 破損事故 | 太陽電池発電所において、PCS1台(定格100kW、2012年製)が「インバータ異常」の故障警報により停止した。復旧を試みたが復旧しなかった。メーカーが調査したところ、過去の落雷等に起因する外来サージ・ノイズの影響により、インバータユニットが損傷したものと推定される。なお、当該PCSには一般的な保護等級のサージアブソーバ及びSPDを搭載していたが、保護等級を超える急激な電圧変動によるノイズの影響を受け今回の損傷に進展したものと推定される。 | 保守不備 (自然劣化) |
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3 | 波及事故 | 閉鎖された店舗の原状回復工事中に、キュービクル内の低圧進相コンデンサーが経年劣化により発火し、当該コンデンサーの上部に取り付けられていたVCTが熱を受け短絡し、短絡箇所が保護範囲外のため波及事故に至ったと推測される。 供給支障電力:689kW、供給支障時間:30分 |
保守不備 (自然劣化) |
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4 | 破損事故 | 太陽電池発電所において、PCS1台(100kW、2014年製)が「インバータ異常」の故障警報により停止した。復旧を試みたが再起動せず、PCS内部を確認したところ基盤の焼損が判明した。メーカーによる調査の結果、過電流によりIGBTモジュールのパッケージ内に封入されたシリコンゲルが局所的に過熱されて部分的に気化し、その圧力でパッケージが破損したと推定される。なお、過電流が生じた要因としては、過去の落雷等に起因する外来サージ及びノイズの影響、もしくはインバータ冷却ファンの経年劣化による熱ストレスが考えられるが、IGBTモジュールの損傷状態が酷く特定には至らなかった。 | 保守不備(自然劣化) |
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5 | 波及事故 | 出迎え方式の高圧引込ケーブル(CVT、1992年製)の柱上端末処理部で地絡が生じ、事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。シュリンクバック現象により絶縁テープを巻いていた端末処理部から絶縁体が露出し、経年劣化により絶縁破壊に至ったと推定される。 供給支障電力:1,931kW、供給支障時間:64分 |
保守不備 (自然劣化) |
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6 | 破損事故 | 太陽電池発電所において、追尾型架台1基(56kW)で2箇所、長手方向の全ての桁が折損し、架台の両端が地面と接触して2箇所の折損部に位置する太陽光パネルや地面と接触した太陽光パネルが損傷した。調査の結果、強風によって追尾型架台が退避モード(水平) になったところに積雪し、破損したと推定されるが、架台を設計した際、積雪荷重が適切に考慮されていなかった。 | 設備不備(製作不完全) | 追尾型架台を撤去し、技術基準に適合する野立式架台に置き換える。 |
番号 | 事故種別 | 概要 | 原因 | 再発防止対策 |
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1 | 電気火災事故 | 33kV特高架空電線(絶縁電線)に、着雪の重みで湾曲した樹木が接触し、当該電線の被覆が損傷し、リークが発生したことにより出火した。当該火災により、電線被覆が30cm程度、樹木が20cm程度焦げた。 | 自然現象 (氷雪) | 特高架空電線の被覆損傷箇所にテーピング処置を実施。今後、電線を張替予定。 |
2 | 電気火災事故 | 6.6kV高圧架空配電線に、根腐れによって倒壊した樹木が圧し掛かり、断線した。垂下した電線端末でリークが発生したことにより地上の落ち葉に引火し、約2m×2mの範囲が燃えた。 | 他物接触 (樹木接触) | 倒壊した樹木を伐採し、断線した電線を張り替えた。 |
3 | 物損等事故 波及事故 | 受電用引込柱(鉄筋コンクリート柱、1981年製)が折損し、電話線を損傷させ、また波及事故にも至った。原因は、施設当該電柱には支線が設置されておらず、架捗線の張力による荷重が電柱の設計強度を上回っていたため、経年的に電柱下部に横ひび割れが発生し、ひび割れから水分が浸入して複数の鉄筋が腐食したことにより、鉄筋強度が低下し、倒壊に至ったと推定される。なお、高圧引込みケーブルの経路を地中から架空に変更した際、電柱強度の検討が行われていなかった。 供給支障電力:721kW、供給支障時間:69分 |
設備不備(製作不完全) | 設備更新、変更時には設計段階において技術基準の適合性を確認し、安全な設備、設置状態であることを検討・確認する。 |
4 | 電気火災事故 | 33kV特高架空電線の引留めクランプカバーが発火して落下し、地上の枯草や枯枝(約1m×約2mの範囲)が燃えた。海風によって大量の塩分がクランプカバーに付着し、放電現象が発生し、温度上昇により出火したものと推定される。 | 自然現象 (塩、ちり、 ガス) | 当該柱及び周辺設備について、通常より高い頻度で重点的に外観点検を実施。 |
5 | 波及事故 | 主任技術者(電気保安法人)による年次点検時、工事業者による太陽電池発電設備の設置工事も併せて行っていたところ、工事業者が取り付けた短絡接地を取り付けたまま、年次点検を終えた主任技術者がPASを投入して復電したため、波及事故となった。 原因として、設置者は工事に係る契約内容を確認せず、主任技術者に監督業務を委託していないこと、主任技術者は工事が行われることを把握しながら責任範囲であることを認識せず、工事業者との打合せを十分に行わなかったこと、また、復電に係るチェックリストがありながら利用しなかったことが挙げられる。 供給支障電力:79.5kW、供給支障時間:10分 |
故意・過失 (作業者の 過失) |
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6 | 破損事故 | 太陽電池発電所において、PCS1台(定格250kW、2012年製)が「インバータ異常」の警報により停止した。メーカーによる調査の結果、原因は外来サージ及びノイズの影響により、インバーターユニットが故障に至ったためと推定される。 | 保守不備(自然劣化) |
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番号 | 事故種別 | 概要 | 原因 | 再発防止対策 |
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1 | 波及事故 | 高圧引込みケーブル(CVT、1996年製)の柱上端末部で地絡が発生した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。地絡の原因は、シュリンクバック現象によるものと推定される。 供給支障電力:1,262kW、供給支障時間:52分 |
保守不備 (自然劣化) | 改修が必要な箇所については、電気工事会社を交えて改修計画を立てて実施する。 |
2 | 破損事故 | 太陽電池発電所において、PCS1台(79kW、2018年製)が警報発報し、MCCBがトリップして停止した。メーカーが調査した結果、PCS内部のIGBTに短絡電流が流れ、ACリレーが溶着していた。原因はIGBT性能のばらつきによる劣化等と推定される。 | 設備不備(製作不完全) |
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3 | 波及事故 | 高圧地中引込みケーブル(CVT、2007年製)で地絡が発生した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。地絡の原因は水トリーと推定される。なお、直近の年次点検時に危険な状態であると判断し、約1か月後に詳細なケーブル診断を予定していた。 供給支障電力:572kW、供給支障時間:68分 |
保守不備 (自然劣化) |
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4 | 波及事故 | 高圧引込みケーブル(CVT、2000年製)の柱上端末部で地絡が発生した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。地絡の原因は、シュリンクバック現象により絶縁テープを巻いた端末処理部から絶縁体が露出し、経年劣化により絶縁不良に至ったと推定される。 供給支障電力:773kW、供給支障時間:91分 |
保守不備 (自然劣化) |
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5 | 破損事故 | 水力発電所において、水車及び発電機が完全水没し、自動制御盤等が床面より1.5m水没した。原因は、点検業務受注者が、翌週、別作業を行う予定だったことから、発電所員の了解を得て点検孔の蓋を締め付けず作業を終えたが、このことが発電所内で情報共有できていなかったところ、降雨により増加した流入量を減勢池下流の河川に放流した際、減勢池内の水位が上昇し、点検孔から水が逆流したためと推定される。 | 故意・過失(作業者の過失) |
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6 | 破損事故 | 太陽電池発電所において、PCS1台(50kW、2019年製)が停止し、再起動不能となった。メーカーによる調査の結果、PCS内部のケーブルのコネクタ接触不良により出力が不安定となり、故障に至ったと推定される。 | 設備不備(製作不完全) | メーカーより不具合情報や対応策等の情報を入手し、該当品がある場合はメーカーによる調査や改修を依頼し、事故の未然防止を図る |
7 | 波及事故 | 建物の火災により構内第1柱(木柱)に架かるPAS二次側のケーブルが焼損し、短絡した。SOG制御装置への給電ケーブルが先に焼損したためPASはSO動作せず、波及事故となった。 供給支障電力:1,800kW、供給支障時間:70分 |
故意・過失 (火災) |
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8 | 破損事故 | 太陽電池発電所において、PCS1台(500kW、2014年製)で警報が発報したため、現地を確認したところ、PCSから発煙があった。当該PCSには製造不良のコンデンサが内蔵されており、コンデンサが過熱溶融し、PCS内部の焼損に至った。 | 設備不備(製作不完全) | 製品不良の情報を収集し必要な対策を講じる。 |
番号 | 事故種別 | 概要 | 原因 | 再発防止対策 |
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1 | 波及事故 | 高圧引込みケーブル(CVT、1992年製)の柱上端末部で地絡が発生した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。地絡の原因は経年劣化よるものと推定される。 供給支障電力:257kW、供給支障時間:114分 |
保守不備 (自然劣化) |
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2 | 破損事故 | 太陽電池発電所において、PCS1台(50kW、2020年設置)が停止し、再起動不能となった。メーカーによる調査の結果、IGBTが短絡状態となって破損したことが確認されたが、IGBT短絡の原因は、特定には至らなかった。 | 不明 | メーカーより不具合情報や対応策等の情報を入手し、該当品がある場合はメーカーによる調査や改修を依頼し、事故の未然防止を図る |
3 | 破損事故 | 太陽電池発電所において、PCS1台(定格100kW、2020年製)のインバータ部及び保護リレー部が焼損した。 メーカーが調査した結果、プリント基板上のコイル取付部(スルーホール)周辺から焼損が始まっていることが確認された。焼損の原因はコイルのはんだ付け不良又はプリント基板のスルーホール不良が推定される。 |
設備不備 (製作不完全) |
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4 | 破損事故 | 太陽電池発電所において、過電流等の警報が発生したため現場を確認したところ、PCS1台(1000kW、2015年製)の盤内から出火していた。メーカーによる原因調査の結果、雷サージ等の影響によりIGBTモジュールが絶縁劣化し、内部基板に主回路の電圧が印加されて部品故障したためと推定される。 | 保守不備(自然劣化) | メーカーより不具合情報や対応策等の情報を入手し、該当品である場合はメーカーによる調査と改修を依頼して事故の未然防止を図る。 |
5 | 破損事故 | 小型の水力発電所において、崖崩れにより圧力導水路(FRPM)が破断した。山からの崖崩れに伴い道路の片側(谷側)が崩落したため、道路下に埋設されていた導水路が破断したものであり、道路谷側の地盤は盛土によって拡幅された箇所で、比較的軟弱だったと考えられる。出水による公衆への被害等は特に認められなかった。 | 自然現象 (山くずれ、 なだれ) | 崩落箇所をコンクリートで補強した。 |
6 | 波及事故 | 高圧引込みケーブル(CVT、1998年製)の柱上端末部で地絡が発生した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。シュリンクバック現象により絶縁テープを巻いていた端末処理部から絶縁体が露出し、経年劣化により絶縁破壊に至ったと推定される。 供給支障電力:1017kW、供給支障時間:33分 |
保守不備 (自然劣化) |
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7 | 波及事故 | 高圧地中引込みケーブル(CVT、2011年製)で地絡が発生した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。地絡の原因は水トリーと推定される。 供給支障電力:694kW、供給支障時間:81分 |
保守不備 (自然劣化) |
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8 | 波及事故 | 出迎え方式の需要設備における年次点検の際、電力会社へのAS開放依頼を失念した状態(充電状態)で、検電も行わず、LBS1次側を接地放電したため地絡した。また、当該地絡をケーブル静電容量分の放電と誤認し、保護継電器試験のためLBS1次側に動作時間測定用の端子を接続したため、再閉路も失敗し、波及事故に至った。 事故に至った人的要因は以下の通り。
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故意・過失 (作業者の 過失) |
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9 | 波及事故 | キュービクル内のVCT2次側配線の接続部端子カバーがVCT筐体に接触し、当該箇所にて地絡が発生した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。 選任の主任技術者は、10年以上、年次点検及び月次点検を行っておらず、ホコリや湿気により絶縁が低下した可能性が考えられる。 供給支障電力:140kW、供給支障時間:98分 |
保守不備 (保守不完全) |
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10 | 破損事故 | 太陽電池発電所において、PCS1台(50kW、2017年製)が停止し、再起動不能となった。メーカーによる調査結果と過去の警報履歴をもとに総合的に判断した結果、故障の原因は、DCリレー接点の接点接触抵抗増加又は内部配線の接触不良による動作不安定と推定される。 | 設備不備(製作不完全) |
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11 | 破損事故 | 太陽電池発電所において、PCS1台(50kW、2017年製)が停止し、再起動不能となった。メーカーによる調査の結果、故障の原因は、日射が安定しない状況や設置環境などによって、起動条件の確認動作を繰り返したことでDCリレーが破損したためと推定される。 | 設備不備(製作不完全) |
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- 事故発生を覚知した年月をもって発生年月と推定する場合があります。
- 発生年月は、事故報告後、さらに詳細な調査を経て変更となる場合があります。
このページに関するお問合せ先
経済産業省 中部近畿産業保安監督部近畿支部
電力安全課 事故担当
〒540-8535 大阪市中央区大手前1-5-44
電話番号: 06-6966-6056(直通)
FAX番号: 06-6966-6092
※電話応対可能時間:平日9:00~12:00及び13:00~18:00
(土日祝及び12月29日~1月3日は閉庁)
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最終更新日:2024年7月17日