事故情報一覧(4月発生)
番号 事故種別 概要 原因 再発防止対策
1 波及事故 受電キュービクル内のLBS1次側にヘビが引っかかり地絡が発生した。保護範囲内であったが地絡継電器が動作せずPASが開放されなかったため、波及事故に至った。
供給支障電力:149kW、供給支障時間:64分
他物接触(鳥獣接触)
  • キュービクル内部の配管の小動物の侵入口を塞ぐ。
  • PAS、高圧地絡方向継電器、引込ケーブルの取替を実施する。
  • 点検を実施する毎に、キュービクル内の小動物侵入口がないか確認する。
2 波及事故 地下電気室内の天井から漏水した水滴が、受電用断路器の中相にかかり断路器本体とフレーム間にて地絡した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。
(1回目)供給支障電力:1,003kW、供給支障時間:103分、(2回目)供給支障電力:1,045kW、供給支障時間:85分
その他(その他)
  • 電気室内の天井から漏水した場合でも波及事故に至らないように電気室内の一部にスレート屋根を施工する。
  • 受電用高圧ケーブル、受電用断路器、受電用計器用変圧器を更新する。
  • 電気室への漏水箇所について改修工事を検討する。
3 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、2013年製)で地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。調査の結果、原因は、水トリ―による絶縁低下と推定される。
供給支障電力:704kW、供給支障時間:72分
保守不備 (自然劣化)
  • 高圧引込みケーブル更新時に水トリー現象に強いE-Eタイプを採用する。
  • PASの設置を検討する。
事故情報一覧(5月発生)
番号 事故種別 概要 原因 再発防止対策
1 波及事故 近隣への落雷により高圧引込みケーブル(CVT、1997年製)にサージが侵入し、ケーブルの経年劣化部より地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。
供給支障電力:1,093kW、供給支障時間:66分
保守不備(自然劣化)
  • 当該ケーブルの取替えを実施する。
  • 零相変流器、高圧地絡継電器、高圧開閉器、進相コンデンサーを更新する。
  • 単相トランス1台、三相トランス2台の絶縁油交換を行う。
  • キュービクルの表面再塗装と点検窓の防水パッキン交換を行う。
2 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、1995年製)のストレスコーン部分で火花が発生して焼損した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。
供給支障電力:253kW、供給支障時間:86分
保守不備(自然劣化)
  • 耐用年数に近づいた機器について、計画的に更新する。
  • 点検結果等を鑑みて計画的に事故防止に努める。
  • PASの設置を検討する。
3 感電外負傷事故 作業員が電気室内の低圧配電盤の上部で作業中に、誤ってドライバーを盤上部の穴から差し込んで短絡させたことにより、アークが発生した。アークは作業していた場所から離れたところで発生し、その近くにいた別の作業員が火傷を負い入院した。 感電(作業者)(作業準備不良)
  • 通電中の電気盤における全ての作業を対象として、活線近接作業範囲のリスクを評価し、作業許可を得るように規定を改訂する。
  • 作業許可を得た作業の最中にイレギュラーが発生して作業内容の変更が必要になった場合は作業を中断し、再度リスク評価を行い作業許可を得る。
  • 通電している電気盤全てに通電中の表示を行うことを規則化する。
  • 通電部分の短絡防止治具に「通電部分のため取り外し禁止」の文言を表示する。
  • 周知、教育を行う。
事故情報一覧(6月発生)
番号 事故種別 概要 原因 再発防止対策
1 波及事故 風雨により構内柱(2020年設置)が折れ、PASの一次側で地絡が発生したため、波及事故に至った。調査の結果、原因は、トラックが通過したときの巻き込み風圧により倒れたものと推定される。
供給支障電力:917kW、供給支障時間:24分
設備不備(施工不完全) 構内柱の仕様強度を変更する。
2 波及事故 屋上設置のPAS(2009年製)に水が浸入したことにより相間短絡したため波及事故に至った。調査の結果、原因は、PASの気密性能劣化により内部に水が蓄積し、絶縁劣化を起こし、充電部間の短絡、地絡が発生した。
供給支障電力:1,194kW、供給支障時間:131分
保守不備(保守不完全)
  • 保安規程に定めた頻度で年次点検を実施する。
  • 更新したPASの気密性能低下を防止するため、シール剤の充填を行う。
  • 年次点検結果に基づく主任技術者のアドバイスに従う。
3 破損事故 太陽電池発電所(499.9kW)内で、大雨により法面が崩壊し、7台の架台(50.4kW)が破損した。 自然災害(風雨)
  • 地盤改良材を混入した土砂にて法面改修を行う。
  • 年1回実施していた外観目視点検を、年3回に増加する。
  • 事故発生箇所に焦点を当てるよう、監視カメラの角度を変更する。
  • 架台の強度を上げるためにブレース補強を追加する。
4 破損事故 大雨によりPCS(2014年製)、太陽電池モジュール(2015年製)が水没し使用不可能となった。 自然災害(水害) 地表より約1200mmの高さにPCSを設置することを検討する。
5 供給支障事故 変圧器の内部異常により保護リレーが作動し、供給支障事故に至った。調査の結果、負荷時タップ切換装置の部品折損により内部で短絡していたことが判明した。
供給支障電力:62MW、供給支障時間:372分
設備不備(製作不完全)
  • 当該部品の品質管理項目を追加する。
  • 外注先工場に対して、品質監査を実施する。
6 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、2014年製)が絶縁低下により地絡し、保護範囲外であったため波及事故に至った。メーカーによる調査の結果、原因は、受電用高圧ケーブル赤相の水トリ―による絶縁低下と推定される。
供給支障電力:1,388kW、供給支障時間:76分
保守不備(自然劣化)
  • 構内柱の設置と柱上高圧気中開閉器(PAS)と地絡方向継電器(DGR)の取付を検討する。
  • 高圧ケーブル取替時は水トリ―に強い3層同時押出(E-Eタイプ)とする。
7 破損事故 落雷(誘導雷)により、パネルが390枚(約150kW)破損した。 落雷抑制新型避雷針(PDCE)の設置を検討する。
事故情報一覧(7月発生)
番号 事故種別 概要 原因 再発防止対策
1 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、1995年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。調査の結果、地絡の原因は、水トリ―による絶縁低下と推定される。
供給支障電力:1,186kW、供給支障時間:68分
保守不備(自然劣化)
  • 電気工作物の推奨耐用年数を鑑みて計画的に機器を更新する。
  • 点検の際は目視での点検を行い、異常が確認された機器は速やかに更新する。
  • PASを設置する。
2 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、1998年製)で地絡が発生し、保護範囲内であったが保護継電器が動作しなかったため、波及事故に至った。現場確認の結果、高圧引込みケーブルの絶縁劣化が判明した。高圧引込みケーブル端末の被覆に亀裂があり、絶縁不良を起こしたものと推定される。
供給支障電力:1,790kW、供給支障時間:48分
保守不備(自然劣化)
  • 更新推奨時期を過ぎている他の機器についても、早急に取替工事をするように社内で検討する。
  • DGRの最小動作電圧の整定値の変更を実施する。
  • 過去の保安教育で使用した内容ついて、再教育し、更新推奨時期を経過した機器の取替の重要性について指導する。
  • 次回のケーブル取替を10年後として、予算計上等を実施する。
3 波及事故 屋内受電キュービクル内のVCBの端子部にヘビが引っかかり地絡が発生した。保護範囲内であったが地絡継電器が動作せずPASが開放されなかったため、波及事故に至った。
供給支障電力:1,230kW、供給支障時間:249分
他物接触(鳥獣接触)
  • 小動物侵入の可能性がある箇所を塞ぐ。
  • 定例点検時に鳥獣が侵入する恐れのある箇所の有無を確認する。
  • 地絡継電器を交換する。
4 電気火災事故 豪雨により、発電所内で発生した崩落に架台ごとソーラーパネルが巻き込まれ接続箱主管ブレーカーを切っていた。崩落から約1ヶ月半後、土砂から見えるパネルの一部が焼損し、崩落によりその上に載っていた樹木ごと炭になっているのを確認した。 自然災害(風雨)
  • 破損したパネル及びパネル回路は、速やかに撤去する。
  • パネル上には、落ち葉等の可燃物を放置しない。
  • 接続箱の主幹ブレーカーだけでなく、子ブレーカーも開放する。
5 社会的影響を及ぼした事故 受変電所においてVCT一次側のL字型導体(22kV)で地絡、短絡が発生した。この影響により駅及び電車用の給電が停止したため約26時間にわたり電車が走行不能となり、社会的影響を及ぼした。
調査の結果、原因は、VCTのタンク内に固定されたL字型導体に初期亀裂が入っており、タンク変形に伴って亀裂が拡大し、接触抵抗増大によって局部加熱が進行し、局部加熱と放電により金属蒸気を含む不純物がタンク内に飛散し、溶着物が絶縁物表面に付着したことによって絶縁性能が低下し、地絡したものと推定される。
設備不備(製作不完全)
  • 内圧変化によるタンクの変形量を減らすためにタンクに梁を追加する。
  • L字型導体を伸縮追従可能な構造に変更する。
  • L字型導体制作時に用いる治具の先端形状が鋭く、初期亀裂の原因となっていたことから、治具先端形状の詳細指定を追加する。
  • 当該VCTと同一構造の他のVCTについて、同様の再発防止策を水平展開する。
6 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、2016年製)が絶縁低下により短絡し、出迎え方式で保護範囲外であったため波及事故に至った。メーカーによる調査の結果、原因は、高圧引込みケーブルの水トリ―による絶縁低下と推定される。
供給支障電力:1,384kW、供給支障時間:63分
保守不備(自然劣化)
  • 高圧ケーブル更新時に水トリー現象に強いE-Eタイプを採用する。
  • PASの設置を検討する。
7 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、2013年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。調査の結果、地絡の原因は、水トリ―による絶縁低下と推定される。
供給支障電力:1,598kW、供給支障時間:97分
保守不備(自然劣化) 更新推奨時期が超過する前に、高圧引込みケーブルを水トリー現象に強いケーブル(E-E)へ変更する。
8 感電外負傷事故・波及事故 工事中、作業員が誤って受電用高圧ケーブル配管と受電用高圧引込みケーブルを切断したことで、短絡アークにより火傷した。また、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。
供給支障電力:1,559kW、供給支障時間:55分
感電(公衆)(被害者の過失)
  • 作業前の事前ミーティングを徹底し、作業場所の確認を全作業員にて確認させる。
  • 主任技術者から保安教育を受け、電気工事以外の工事についても連絡し、必要な指導や助言を受ける。
  • 高圧ケーブル用保護配管に”注意 高圧ケーブル”の表示を行う。
  • PASの設置を検討する。
事故情報一覧(8月発生)
番号 事故種別 概要 原因 再発防止対策
1 波及事故 PGS(2000年製)が老朽化による絶縁低下によって内部短絡し、保護範囲外であったため波及事故に至った。調査の結果、原因は、更新推奨時期を超えた使用による、PGS内部絶縁劣化が原因と推定される。
供給支障電力:866kW、供給支障時間:57分
保守不備(自然劣化)
  • PASを設置する。
  • 電気工作物の推奨耐用年数と点検結果を鑑みて計画的に機器を更新する。
2 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、1995年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。
更新推奨時期を超過しており、経年劣化が原因で地絡したと推定される。
供給支障電力:706kW、供給支障時間:415分
保守不備 (自然劣化)
  • PASを設置する。
  • 電気工作物の推奨耐用年数を鑑みて計画的に機器を更新する。
3 波及事故 台風7号によってキュービクル内部に雨水が浸入、LBS(1996年製)が結露して絶縁が低下、地絡し、PAS、HGRも作動せず波及事故に至った。調査の結果、当該LBSは不具合リストの機器であることが分かり、また、更新推奨年を超過しており、絶縁抵抗値が低下していたことが原因と推定される。
供給支障電力:689kW、供給支障時間:776分
保守不備(保守不完全)
  • 不具合機器リストに記載のあるもの、また更新推奨年を過ぎた機器改修工事計画を立て、改修を行う。
  • PAS、HGR、高圧引込みケーブルを更新する。
4 破損事故 令和5年2月の積雪により太陽光発電設備(250kW)の一部の軒先部分のパネル等が破損したことを翌月の点検で確認し、PASを開放状態とした(事故報告無し)。その後未改修及び休止中のまま、同年8月の台風により約2割のパネルが架台から落下する等被害が拡大した。調査の結果、原因は、固定金具等が積雪及び風圧荷重に対する強度不足と推定される。 設備不備(製作不完全)
  • 垂直積雪量などJIS C 8955(2017)に沿った値で構造計算書を作成し改修する。
  • 部材やパネルの接合部のボルトの数を通常よりも増やす。
5 波及事故 雷雨の中、高圧引込みケーブル(CVT、1989年製)及びLBSが絶縁低下により地絡し、出迎え方式で保護範囲外であったため波及事故に至った。
供給支障電力:345kW、供給支障時間:110分
保守不備(保守不完全)
  • 電気工作物の推奨耐用年数と点検結果を鑑みて計画的に機器を更新する。
  • PASを設置する。
6 供給支障事故 雷により配電線事故が発生したが、設計時に変圧器の整定値設定を誤っており、線路保護リレーより変圧器リレーが先に作動したことで、供給支障事故に至った。
供給支障電力:16.1MW、供給支障時間:226分。
設備不備(製作不完全)
  • 変圧器保護継電器の整定方針について整定検討者にとって明確に読み取れる表現に変更する。
  • 変圧器保護継電器の製造メーカー・型式毎に整定検討書の標準化を行う。
7 波及事故 計器用変圧器が焼損したことにより地絡し、DGRも焼損したため、PASが動作せず波及事故に至った。落雷があったことから雷によるものと推定。
供給支障電力:1,251kW、供給支障時間:114分
8 波及事故 落雷によりPASが焼損し、保護範囲外だったため波及事故に至った。
供給支障電力:1,130kW、供給支障時間:91分
9 波及事故 落雷によりVCBが焼損し、出迎え方式で保護範囲外だったため波及事故に至った。
供給支障電力:2,025kW、供給支障時間:110分
10 波及事故 PAS(2014年製)が焼損短絡し、保護範囲外であったため波及事故に至った。調査の結果、原因は、SOG制御装置用の電源が小容量にもかかわらず、他の事業所に無断で電源が取られ、その使用量が当該電力容量を超過したことによりPAS内蔵のVTが焼損したと推定される。
供給支障電力:410kW、供給支障時間:51分
故意・過失(公衆の故意・過失)
  • SOG制御ボックスを施錠する。
  • 無断使用を防ぐ意識をもってSOG制御装置を管理する。
事故情報一覧(9月発生)
番号 事故種別 概要 原因 再発防止対策
1 波及事故 改装工事中に撤去予定ではなかった高圧引込みケーブル配管を誤って切断したため地絡し、高圧引込みケーブルが出迎え方式で保護範囲外であったため波及事故に至った。
供給支障電力:1,189kW、供給支障時間:43分
故意・過失(公衆の故意・過失)
  • 工事業者には作業前事前ミーティングを徹底し、作業場所の確認を全作業員に認識させる。
  • 高圧引込みケーブル保護配管に注意喚起シールを貼付する。
  • PASの設置を検討する。
  • 工事の計画があるときは電気設備に影響がないか事前に電気主任技術者と相談する。
  • 工事の際は電気主任技術者に一報連絡することの重要性について保安教育を実施する。
2 波及事故 PAS二次側にヘビが引っかかり地絡が発生した。保護範囲内であったが地絡継電器(1993年製)が動作せずPASが開放されなかったため、波及事故に至った。
供給支障電力:527kW、供給支障時間:79分
他物接触(鳥獣接触)
  • PASを更新する。
  • 地絡継電器を更新する。
事故情報一覧(10月発生)
番号 事故種別 概要 原因 再発防止対策
1 波及事故 PAS二次側の高圧引込みケーブル(CVT、2022年製)が絶縁低下により地絡した。事故点は保護範囲内であったがDGR(2013年製)が動作しなかったため波及事故に至った。詳細な原因は調査中。
供給支障電力:1,499kW、供給支障時間:119分
事業者において調査中
2 破損事故 受電用のVCB(22kV、2007年製)が経年劣化による絶縁不良により短絡、焼損した。年次点検で経年劣化が認められたため取替を予定していたが、取替前に事故が発生した。吸湿によってVCB絶縁樹脂部の絶縁抵抗値が低下していたことが原因と推定される。 保守不備(自然劣化)
  • 絶縁低下したVCBを正常な真空遮断器に取替を実施する。
  • 機器の吸湿による絶縁低下が原因の為、特別高圧受電盤の腐食部分の補修により湿気対策を実施する。
  • 機器の推奨耐用年数及び年次点検等の結果を鑑みて計画的に機器更新を行う。
  • 年次点検等で異常が見つかった場合は、近年の電気機器の納期遅延も考慮に入れた上で速やかに更新や使用制限を行う。
3 感電負傷事故 工場内制御盤の修理中に、電気工事の作業員が誤って制御盤内の別電源の活線部(200V)にふれてしまい感電した。防護手袋等の対策をとっておらず、一つ一つの回路を検電しなかったため活線部を見落とした。 感電(作業者)(被害者の過失)
  • 検電作業、防護器具着用方法等について安全教育を再度実施する。
  • 作業チェックシートを作成し、手順をチェックする。
  • 活線作業は原則実施しないこととし、やむを得ない場合は作業手順書を作成し、電気主任技術者の許可をもらい、二人以上で作業する。
  • 充電中の電線にタグを付ける。
4 波及事故 高圧コンデンサ(1998年製)が経年劣化により絶縁低下し地絡した。また、SOG(GR)(1998年製)が経年劣化により動作しなかったため波及事故に至った。
供給支障電力:195kW、供給支障時間:80分
保守不備(自然劣化)
  • 更新推奨時期を超過している機器については順次取替を計画するとともに、取替までの間は年次点検を停電で実施する。
  • 更新推奨時期を超過する機器については計画的に取替する。
  • 不具合及び劣化の兆候が見受けられた場合は速やかに取替する。
5 波及事故 火災により高圧機器類が焼損し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。
供給支障電力:157kW、供給支障時間:42分
故意・過失(火災) 当該事業場を廃止した。
6 破損事故 風力発電所において風車発電機(2000kW、2012年製)のブレードの亀裂を確認したため発電機を停止した。調査の結果、原因は、ブレード製造における成型不良により、積層内のガラス材料にしわが発生。風の変動荷重、長期間のブレードの回転によって亀裂に進展したと推定される。 設備不備(製作不完全)
  • ブレードの補修を行う。
  • 現状の毎月の巡視点検、半年毎の定期点検で兆候を確認し、亀裂の位置やサイズから、適宜補修を実施する。
事故情報一覧(11月発生)
番号 事故種別 概要 原因 再発防止対策
1 波及事故 法定点検の際に受電盤に取り付けた接地線を取り除かずに復電作業を行い地絡し波及事故に至った。
供給支障電力:2,950kW、供給支障時間:43分
故意・過失(作業者の過失)
  • 全作業の手順を記載する。
  • 各作業において指示者と実施者を明記する。
  • 復電前に接地線をすべて回収したかを複数人で確認する。
  • PAS更新時にVT内蔵型を選定する。
2 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、1991年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。調査の結果、原因は、シュリンクバック現象による絶縁低下と推定される。
供給支障電力:876kW、供給支障時間:62分
保守不備(保守不完全)
  • 定期点検時に、柱上の高圧引込みケーブルを双眼鏡などで目視し、異常の早期発見に努める。
  • 定期点検等で異常を発見した場合や更新推奨期間を超えた機器については速やかに更新する。
3 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、2012年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で保護範囲外であったため波及事故に至った。メーカーによる調査の結果、原因は、水トリーによる絶縁低下と推定される。
供給支障電力:673kW、供給支障時間:100分
保守不備(自然劣化)
  • PASの設置を検討する。
  • 高圧引込みケーブルを水トリー現象に強いE-Eタイプに取り替える。
  • 今回の事例を水平展開し、同種波及事故を防止する。
  • 今後設置する高圧引込みケーブルは全てE-Eケーブルを推奨とする。
  • 定期点検等で異常を発見した際は速やかに改修する。
4 感電負傷事故 作業者Aが低圧系統の放送設備の更新工事中に、放送設備試験のために低圧の発電機を接続した。その上流の低圧盤では、作業者Bが低圧系統と高圧系統を結ぶ遮断器の開閉試験を行っており、遮断器を投入したため、低圧系統の発電機出力が高圧系統に逆充電されていた。その結果、高圧系統で配線端子の締め付け作業をしていた作業者Cが感電した。被災者は作業前に検電し、無充電であることを確認していたため、絶縁手袋等の防護措置はとっていなかった。
各作業間の情報共有が出来ておらず、作業計画書もなかったため、各作業者は低圧発電機が高圧系統と繋がるとは思っていなかった。
感電(作業者)(作業準備不良)
  • 保安規程を遵守し、事故防止に努める。
  • 作業手順を事前確認し、誤接続を防止する。
  • 仮設電源の接続管理を行うため、仮設電源取り扱いの社内規程を作成する。
  • 電源工事の有無で、試運転要領書の要否を確定できるように作成基準を改訂する。
  • 仮設電源を含めた電源接続の際には図面等を揃え、接続箇所の確認を行う。
  • 事故事例紹介と仮設電源取り扱いについての保安教育を実施する。
5 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、2016年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で保護範囲外であったため波及事故に至った。メーカーによる調査の結果、原因は、水トリーによる絶縁低下と推定される。
供給支障電力:1,865kW、供給支障時間:65分
保守不備(自然劣化)
  • 高圧引込みケーブルの敷設を架空電線路に変更する。
  • 高圧引込みケーブルを耐水トリー性の高いE-Eタイプに取り替える。
事故情報一覧(12月発生)
番号 事故種別 概要 原因 再発防止対策
1 波及事故 法定点検の際に受電盤に取り付けた接地線を取り除かずに復電作業を行い地絡し波及事故に至った。
供給支障電力:1,060kW、供給支障時間:38分
故意・過失(作業者の過失)
  • 既存の手順書を見直し、実用的な手順書を作成する。
  • 作業の進捗を把握するために作業手順書をチェックし、適切な指示を行う。
  • 携帯電話が使用できない場所では無線機を使用し、連絡、確認を密に取る。
2 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、2018年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。調査の結果、原因は、水トリーによる絶縁低下と推定される。
供給支障電力:1,653kW、供給支障時間:89分
保守不備(自然劣化)
  • 高圧引込みケーブルを耐水トリー性の高いE-Eタイプに取り替える。
  • 更新推奨期間を超えた電気工作物については計画的に更新する。
  • 定期点検等で異常を発見した場合は速やかに設備を更新する。
3 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、2011年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。調査の結果、原因は、水トリーによる絶縁低下と推定される。
供給支障電力:4,432kW、供給支障時間:87分
保守不備(自然劣化)
  • PASを設置する。
  • 高圧引込みケーブルの敷設を地中から架空電線路に変更する。
  • 高圧引込みケーブルを耐水トリー性の高いE-Eタイプに取り替える。
  • 電気工作物の推奨耐用年数と点検結果を鑑みて計画的に機器を更新する。
4 感電負傷事故 建築会社の作業員がキュービクル吊りボルト、ナットの交換作業のため、キュービクル扉を開放し充電中のキュービクル内に手を入れたところ、受電用断路器に右手が当たり感電した。主任技術者はキュービクル扉を開放する作業が発生しないと認識していた。 感電(公衆)(被害者の過失)
  • 作業前の事前ミーティングを徹底し、作業工程の確認を全作業員に確認させる。
  • 追加作業が発生した際は、再度全作業員にミーティングを実施し作業工程を周知する。
  • 受変電設備の鍵の受け渡しは、作業者から責任者へ報告・連絡・相談するよう周知する。
  • 電気設備近傍での作業や、受変電設備の鍵の受け渡しがあるときは、責任者が電気主任技術者へ連絡し、注意事項や助言を求めるようにする。
  • 緊急時の連絡系統図を作業場所の要所に掲示する。
  • 電気主任技術者による、電気の基礎知識に関する安全講習を実施する。
5 波及事故 圧引込みケーブル(CVT、1998年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。調査の結果、原因は、水トリーによる絶縁低下と推定される。
供給支障電力:526kW、供給支障時間:79分
保守不備(保守不完全) 更新推奨年に達した高圧引込みケーブルを耐水トリー性の高いE-Eタイプに取り替える。
6 波及事故 高圧引込みケーブルを工事業者が掘削により損傷させ、絶縁破壊が発生し地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。
供給支障電力:62kW、供給支障時間:19分
故意・過失 (公衆の故意・過失) 電気設備周辺に係る工事の際は、工事担当から電気主任技術者に連絡することを徹底させる。
7 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、1995年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。調査の結果、高圧引込みケーブルのシュリングバック現象が原因と推定される
供給支障電力:980kW、供給支障時間:31分
保守不備(自然劣化)
  • 定期点検で不適合が確認された機器、推奨期間を過ぎた機器については計画的に更新する。
  • 高圧機器が更新されるまで停電点検を実施する。
8 波及事故 PGS(1989年製)が絶縁低下により地絡し、保護範囲外であったため波及事故に至った。当該機器は図面への記載がなく、所在を認知できていなかった。また、当該機器は小部屋の中にあり、その手前に大量の荷物が積まれていたので小部屋そのものを認知できていなかった。
供給支障電力:373kW、供給支障時間:68分
保守不完全(自然劣化)
  • 保護範囲を区分開閉器二次側まで拡大する。
  • 耐用年数等を確認し、継続的な設備改修を実施する。
  • 設備経路等を確認し、隠れている設備がないか確認する。
9 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、1992年製)で地絡が発生し、PASが開放して再閉路に成功した。PASを再投入したところ、再び地絡が発生し、制御電源がないためSOGが動作せず、波及事故に至った。
供給支障電力:928kW、供給支障時間:68分
故意・過失(作業者の過失)
  • 高圧引込みケーブルを更新する。
  • PASをVT及びLA内蔵形に更新する。
  • 外観など機器の状態を確認し、対地間、線間の絶縁抵抗値を測定した上でPASの投入を判断する。
  • 更新推奨期間を超えた電気工作物については計画的に更新する。
10 感電負傷事故 特別高圧ケーブル移設工事中、キュービクル内へケーブルを固定する際に、充電中の母線に触れて感電負傷した。 感電(作業者)(作業準備不良)
  • 特別高圧受電設備内工事の事前協議時において、お客様側の責任者と工事施工時の作業区域付近の充停電範囲を確認協議し、その結果を単線結線図等に確実に明示する。
  • 事前協議時に確認した作業範囲と充停電範囲を、単線結線図等と実際の設備で確認する。
  • 本災害事象と再発防止対策について、社内および協力会社関係者へ周知を行う。
11 波及事故 受電キュービクル内の断路器(相間バリヤなし)にネズミが侵入し短絡が発生した。断路器の短絡に伴うアークからの異常電圧によりVCBも短絡焼損したため、波及事故に至った。
供給支障電力:1,896kW、供給支障時間:50分
他物接触(鳥獣接触)
  • ネズミが侵入したと思われるキュービクル換気扇の防護ネットの隙間を、ダクトテープで堅固に閉鎖する。
  • 主任技術者による点検や試験結果に基づく指摘事項について、十分理解して速やかに処置する。
  • 断路器とVCBは相間バリア付のLBSに更新する。
12 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、2011年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。調査の結果、原因は、水トリーによる絶縁低下と推定される。
供給支障電力:736kW、供給支障時間:47分
保守不備(自然劣化) 水トリー現象に強いE-Eタイプの高圧引込みケーブルに更新する。
事故情報一覧(1月発生)
番号 事故種別 概要 原因 再発防止対策
1 New 破損事故 地震発生に伴い工場内変圧器(容量17,500kVA、電圧22/3.45kV、2016年製)1次側の遮断器(22kV)がトリップし工場が停電した。機器の正常を確認後、復電するも再度トリップした。メーカーにて油中ガス分析を行った結果、異常判定となり使用不可となった。調査の結果、原因は、地震振動の共振によって変圧器内部の絶縁板が破断したため、変圧器内部で放電が発生し破損に至ったと推定される。 地震 絶縁板の破断を防ぐため、変圧器内部を共振しない構造に変更する。
2 New 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT 1990年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。調査の結果、地絡の原因は、水トリ―による絶縁低下と推定される。
供給支障電力:1,280kW、供給支障時間:92分
保守不備(自然劣化)
  • PASを設置する。
  • 電気工作物の推奨耐用年数を鑑みて計画的に機器を更新する。
  • 高圧引込みケーブル取替時は耐水トリー性の高いE-Eタイプへの更新を検討する。
3 New 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、2003年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。調査の結果、地絡の原因は、水トリーによる絶縁低下と推定される。
供給支障電力:809kW、供給支障時間:98分
保守不備(保守不完全)
  • PASを設置する。
  • 電気工作物の推奨耐用年数と点検結果を鑑みて計画的に機器を更新する。
4 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、2016年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。調査の結果、原因は、水トリーによる絶縁低下と推定される。
供給支障電力:623kW、供給支障時間:55分
保守不備(自然劣化)
  • 高圧引込みケーブルを耐水トリー性の高いE-Eタイプに取り替える。
  • PASの設置を検討する。
5 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、1989年製)が焼損により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。テープ巻き部の劣化及び紫外線による経年劣化が原因と推定される。
供給支障電力:1,374kW、供給支障時間:101分
保守不備(保守不完全)
  • PASの設置を検討する。
  • 電気工作物の推奨耐用年数を鑑みて計画的に機器を更新する。
6 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、2011年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。調査の結果、地絡の原因は、水トリーによる絶縁低下と推定される。
供給支障電力:1,723kW、供給支障時間:77分
保守不備(自然劣化)
  • 高圧引込みケーブルを耐水トリー性の高いE-Eタイプに取り替える。
  • PASの設置を検討する。
  • 定期点検等で異常を発見した場合は速やかに設備を更新する。
事故情報一覧(2月発生)
番号 事故種別 概要 原因 再発防止対策
1 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、2011年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。調査の結果、原因は、シュリンクバックによる絶縁低下と推定される。
供給支障電力:1,543kW、供給支障時間:145分
保守不備(自然劣化)
  • 高圧引込みケーブルを更新する。
  • PASの設置を検討する。
2 波及事故 PAS(2007年製)が絶縁低下により地絡し、SOGは動作したがPASが作動しなかったため波及事故に至った。調査の結果、原因は、経年劣化によってPAS内部に結露、発錆が発生していたことが確認され、開閉不良を引き起こしたと推定される。
供給支障電力:1,168kW、供給支障時間:72分
保守不備(自然劣化)
  • PASを更新する。
  • 長期的な更新推奨年超過機器の更新計画を立て順次更新する。
3 電気火災事故 太陽電池発電所(148.5kW)内で火災が発生し、構内のケーブルと草木約50平米が焼損した。太陽光発電設備側の損傷は無し。調査の結果、原因は、負荷電流に対してケーブル許容電流値が等しく、2回線が配管内に収納され、経年劣化も重なり発熱に至ったと推定される。 設備不備(製作不完全)
  • キュービクルのブレーカー二次側からPCS間の全ての幹線ケーブルのサイズをアップする。
  • 配管収納布設を1回線ずつにする。
4 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、2016年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。調査の結果、原因は、水トリーによる絶縁低下と推定される。
供給支障電力:1,011kW、供給支障時間:83分
保守不備(自然劣化)
  • 高圧引込みケーブルを耐水トリー性の高いE-Eタイプに取り替える。
  • 更新推奨期間を超えた電気工作物については計画的に更新する。
  • 定期点検等で異常を発見した場合は速やかに設備を更新する。
事故情報一覧(3月発生)
番号 事故種別 概要 原因 再発防止対策
1 感電負傷事故 UPSの蓄電池の交換作業の際、接続する蓄電池の端子間の電圧を測定する手順を受注者の作業員が行わず、端子への配線接続を誤り、複数の蓄電池の端子間でループ短絡が起こり、アークが発生して受注者の作業員1名が両手に火傷を負った。 感電(作業者)(被害者の過失)
  • 発注者は、受注者が作業ルール、管理体制を遵守しているか管理監督する。
  • 工事再開の際は施工計画書を改版し、再発防止策を確認する。
  • 同様の工事の際は発注者、受注者で事前打合せを行い、事故事例の説明や手順書遵守を指示する。
  • 受注者から提出される施工計画書・作業手順書について、内容に問題ないか事前に社内で確認し、不備や改善事項があれば指摘を行う。
2 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、2016年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。調査の結果、地絡の原因は、水トリ―による絶縁低下と推定される。
供給支障電力:700kW、供給支障時間:184分
保守不備(自然劣化)
  • 高圧引込みケーブルを耐水トリー性の高いE-Eタイプに取り替える。
  • 更新推奨期間を超えた電気工作物については計画的に更新する。
  • 定期点検等で異常を発見した場合は速やかに設備を更新する。
  • 事故発生を覚知した年月をもって発生年月と推定する場合があります。
  • 発生年月は、事故報告後、さらに詳細な調査を経て変更となる場合があります。

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最終更新日:2025年2月28日