事故情報一覧(4月発生)
番号 事故種別 概要 原因 再発防止対策
1 波及事故 受電用キュービクル内に、小動物(ヤモリ)が侵入し受電用LBSに接触し地絡および短絡が発生した。受電用HGRにて地絡を検出するとともに、短絡によるSO機能が動作してPGSが開放したが、自動再閉路が成されず波及事故に至った。詳細な原因は調査中。
供給支障電力:1281kW、供給支障時間:74分
他物接触(鳥獣接触)
事故情報一覧(5月発生)
番号 事故種別 概要 原因 再発防止対策
1 波及事故 受電キュービクルから第2キュービクルに至る高圧ケーブル(CVT、1992年製)において地絡が発生し、保護範囲内であったが、地絡継電器が動作しなかったため波及事故に至った。地絡の原因は水トリー現象による絶縁低下と推定され、直近の年次点検時に絶縁低下を確認していたがケーブル更新は実施していなかった。 地絡継電器不動作の原因は、水トリー現象によって発生した間欠地絡を地絡継電器が検知できなかったためと推定される。
供給支障電力:915kW、供給支障時間:165分
保守不備(保守不完全)
  • 高圧ケーブル更新時に水トリー現象に強いE-Eタイプを採用する。
2 波及事故 一般送配電事業者の高圧架空電線と自家用電気工作物設置者の高圧引込みケーブル(CVT、2002年製)の接続箇所(責任分界点より設置者側のケーブル端末処理部)にカラスの営巣材(針金)が接触し、短絡が発生した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。なお、設置者は事故発生の約3週間前、柱上に営巣されていることを一般送配電事業者へ連絡していた。
供給支障電力:1,987kW、供給支障時間:82分
他物接触(その他の他物接触)
  • 一般送配電事業者によって電柱の腕金部に営巣防止用品を設置する。
  • 日常点検の強化、機器の計画的な更新の検討、主任技術者への連絡体制強化を実施する。
3 波及事故 水道管工事の掘削作業中、誤って地中の高圧引込みケーブルを損傷させ、地絡が発生した。出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。なお、設置者及び作業員は、当該工事が高圧引込みケーブルに影響するとの認識が無く、電気主任技術者へ連絡をしていなかった。詳細な原因は調査中。
供給支障電力:184kW、供給支障時間:55分
事業者において調査中
4 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、2017年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため、波及事故に至った。当該事業場では、保安規程に基づく停電年次点検を実施していなかった。
供給支障電力:718kW、供給支障時間:81分
保守不備(保守不完全)
  • 保安規程に基づき点検を実施する。
5 発電支障事故 水力発電所で揚水運転中に調速機閉鎖弁異常により、自動停止機能が作動し、揚水運転を停止した。調査の結果、調速機制御盤内の基板に不具合が判明した。復旧資材の調達に時間を要すことから7日間以上の発電支障が確定した。詳細な原因は調査中。
発電支障電力:201,000kW、発電支障時間:未定
事業者において調査中
事故情報一覧(6月発生)
番号 事故種別 概要 原因 再発防止対策
1 波及事故 キュービクル内のコンデンサー周辺より出火し、高圧機器が焼損したことで地絡が発生した。保護範囲内であったが、PASが動作しなかったため波及事故に至った。詳細な原因は調査中。
供給支障電力:1886kW、供給支障時間:24分
事業者において調査中
2 波及事故 構内第一柱のアングル材内部に作られた鳥の巣を狙ったヘビが、高圧引込みケーブルの端末部に接触し、端末部とアングル材間で地絡が発生した。保護範囲内であったが、PASが動作しなかったため波及事故に至った。PAS不動作の原因は、ヘビ接触によって発生した間欠地絡を地絡継電器が検知できなかったためと推定される。
供給支障電力:1370kW、供給支障時間:144分
他物接触(鳥獣接触)
  • 構内第一柱上のアングル材の両サイド部を営巣できないようにスポンジ等で塞ぐ。
3 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、2016年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。詳細な原因は調査中。
供給支障電力:356kW、供給支障時間:118分
事業者において調査中
4 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、2011年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。詳細な原因は調査中。
供給支障電力:1439kW、供給支障時間:330分
事業者において調査中
5 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、2015年製)が絶縁低下により地絡し、出迎え方式で事故点が保護範囲外であったため波及事故に至った。詳細な原因は調査中。
供給支障電力:216kW、供給支障時間:154分
事業者において調査中
6 発電支障事故 火力発電所で発電設備の起動中(並列後の負荷上昇中)において、蒸気加減弁が急閉し、制御系統の警報を確認したため、手動停止した。調査の結果、原因は当該弁へ開度指令信号を送る制御装置内のDIカード(デジタル信号入力カード)にて一過性の不具合が発生したものと推定される。
発電支障電力:600,000kW、発電支障時間:11日6時間39分
その他
  • 一過性の不具合を引き起こしたと考えられる当該カードを交換する。
  • 同不具合発生時に速やかにカード交換できるよう、当該事業場以外を含め、予備カードを保有する。
7 破損事故・発電支障事故 火力発電所でガスタービン設備の通常運転中に燃焼器内の温度上昇に伴う警報により、自動停止機能が作動し、運転停止した。調査の結果、燃焼器内(トップハット燃料ノズルの溶接部)に亀裂を確認した。詳細な原因は調査中であり、時間を要すことから7日間以上の発電支障が確定した。
発電支障電力:400,000kW、発電支障時間:未定
事業者において調査中
事故情報一覧(7月発生)
番号 事故種別 概要 原因 再発防止対策
1 New 発電支障事故 火力発電所(汽力発電)の通常運転中において、空気予熱器軸受温度高の警報が発報され、現場点検したところ、高温側軸受にて火の粉を確認したため、手動停止した。
調査の結果、エアーシールカバー及び軸受サポートロッド貫通部グランドパッキンの破損を確認した。詳細な原因は調査中。
発電支障電力:600,000kW、発電支障時間:46日17時間24分
事業者において調査中
2 New 波及事故 受電用VCB(1998年製)で相間短絡が発生し、SOG制御装置(1998年製)のSO表示はあったが、PAS(1998年製)が動作せず波及事故に至った。VCBが相間短絡した原因は、豪雨で湿度が高くなりトラッキングが急激に進行したためと推定される。PASが動作しなかった原因は、高経年化のためSOG制御装置のSO出力が正常に動作しなかったためと推定される。
供給支障電力:303kW、供給支障時間:29分
保守不備(自然劣化) 当該事業場を廃止する。
3 New 波及事故 構内の火災によって、キュービクル及び高圧ケーブルが焼損し地絡が発生した。保護範囲内であったが、地絡継電器が動作しなかったため波及事故に至った。地絡継電器不動作の原因は、二次側から給電していた継電器の制御用電源ケーブルが先に焼損したためと推定される。
供給支障電力:1831kW、供給支障時間:9分
故意・過失(火災) 当該事業場を廃止する。
4 New 電気火災 太陽電池発電所(2,250kW)において、太陽電池モジュールから火災が発生し、発電所敷地外を含む周辺雑草に延焼した。
調査の結果、月次点検で太陽電池モジュールの割れを確認していた箇所が発火点であることが判明した。
発火原因については、割れた太陽電池モジュール内に生じたホットスポット(太陽電池モジュールの一部が異常に加熱する現象)によるものと推定される。
保守不備(保守不完全)
  • ドローンにより割れたパネルを発見する。
  • サーモグラフィを用いた赤外線調査でホットスポットなどの故障を早期に発見する。
  • 故障したパネルを発見した場合は、速やかに撤去する(当日撤去が困難な場合は電路から切り離し、1週間以内に撤去)。
  • 難燃性の防草シートを敷設し、雑草への延焼による被害拡大を防止する。
  • 点検体制を強化し、異常発見時の対応を迅速化する。
5 New 波及事故 高圧引込みケーブル(CVT、2013年製)が絶縁低下により地絡し、PASが開放して再閉路に成功した。事故対応にあたった主任技術者は、絶縁抵抗測定の結果、絶縁低下を確認したが、早期復旧の必要性から支障ないと判断し、PASを再投入したところ、波及事故に至った。継電器の制御用電源は二次側から給電しており、PAS再投入時に電源が確保できていなかった。
供給支障電力:217kW、供給支障時間:45分
故意・過失(作業者の過失)
  • 定められた手順に基づき、事故調査や電気設備の操作を行う。
  • 事故発生時には、緊急時の連絡体制に基づき情報共有を行う。
  • VT内蔵型PASへの交換を検討する。
  • 事故発生を覚知した年月をもって発生年月と推定する場合があります。
  • 発生年月は、事故報告後、さらに詳細な調査を経て変更となる場合があります

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最終更新日:2025年9月30日