注意喚起の概要

近年、積雪により太陽電池発電設備(太陽電池モジュール及び支持物等)が損壊する事故が発生しています。独立行政法人 製品評価技術基盤機構[NITE(ナイト)]の調査によると、2019年度から2023年度の5年間に全国で発生した氷雪による電気事故を分析した結果、積雪による太陽電池発電設備の破損は、大雪が観測された年に急増していることが分かりました。また氷雪による事故においては太陽電池モジュールだけでなく支持物の損傷を伴うことが多く、破損事故のうち、約9割を占めていることが明らかになりました。
同様の事故発生を防止するため、太陽電池発電設備の設置者におかれましては、適切な対策を取るようお願いいたします。

積雪によって太陽電池モジュールが破損した様子

【図 1 積雪による太陽電池発電設備の破損事故】

出典:「地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン 2024 年版
(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構) 
 

事故の発生状況

氷雪による破損事故件数
2019年度から2023年度の5年間に、氷雪による被害は全国で56件報告されており、特に1月、2月が最も多くなっております。
出典:「独立行政法人製品評価技術基盤機構 報道発表資料(NITEウェブサイトへ)

 

近畿管内で発生した事故事例(抜粋)
発生年月 事故概要
令和4年1月 太陽電池発電所において、PCS、太陽電池モジュール及び架台が積雪により損傷した。調査の結果、JIS C 8955:2017が定める地上垂直積雪量を超える積雪により架台が倒壊し、太陽電池モジュール及びDCケーブルが損傷して短絡が生じ、PCSも破損したと推定される。
令和4年1月 太陽電池発電所において、太陽電池モジュール及び架台が積雪により破損した。原因調査の結果、JIS C 8955:2017が定める値未満の地上垂直積雪量を用いて積雪荷重を過小に計算し、架台の構造設計を行っていたため、積雪により破損に至ったと推定される。
令和4年3月 小出力の太陽電池発電設備において、架台が積雪により破損した。調査の結果、特定行政庁が定める地上垂直積雪量を超える積雪により破損に至ったと推定される。
不明(令和4年5月覚知) 小出力の太陽電池発電設備において、太陽電池モジュール及び架台、PCSが積雪により破損した。原因調査の結果、特定行政庁が定める値未満の地上垂直積雪量を用いて積雪荷重を過小に計算し、架台の構造設計を行っていたため、積雪により破損に至ったと推定される。
令和5年2月 太陽光発電設備において、一部の軒先部分のパネル等が積雪により破損した。調査の結果、原因は、固定金具等が積雪及び風圧荷重に対する強度不足と推定される。

保安管理の徹底について

積雪による損壊事故を防止するためには、定期的に設備を点検するとともに、必要に応じて除雪を実施するなど、発電設備の保安管理について徹底することが重要となります。特に、太陽電池アレイ面の下端部に作用する積雪による沈降荷重等の影響を受けるおそれがあることから、大量の積雪が予想される場合にはこまめな除雪を行ってください。

損壊してしまった時の対応

太陽電池モジュールは光が当たれば発電をすることがありえます。このため、素手で触ると感電するおそれがあります。周囲にロープを張るなど、関係者以外が不用意に立ち入らないような対策を行ってください。また、損壊した太陽電池モジュール及び支持物等の飛散による被害防止対策も行ってください。被害の対処にあたっては、太陽電池発電設備に充分な知見のある者が作業を行うようにしてください。

産業保安監督部への連絡

太陽電池発電設備が損壊した場合、電気事業法の規定に基づき、設置者等による事故報告が必要となる場合がありますので、被害の発生を知ってから24時間以内に、所管の産業保安監督部へ報告してください。なお、近畿支部管内で発生した事故については、以下リンク先の記載事項に基づき、報告してください。

電気事故が発生した際の報告について

このページに関するお問合せ先

中部近畿産業保安監督部近畿支部 電力安全課 事故担当
所在地:〒540-8535 大阪市中央区大手前1-5-44
電話:06-6966-6056(直通)
FAX:06-6966-6092

最終更新日:2025年2月3日