中部近畿地方鉱山保安協議会近畿地区部会につきましては、例年3月に対面方式により開催していますが、新型コロナウィルス感染症対策のため本年度は書面開催とさせていただきました。
令和3年度中部近畿地方鉱山保安協議会近畿地区部会(書面開催) 議事概要
開催期間
令和4年3月16日(水)~令和4年3月23日(水)
開催方法
書面開催
回答者
中部近畿地方鉱山保安協議会近畿地区部会委員(9名回答/9名中)
議題
報告事項
- 中央鉱山保安協議会の動向及び関係法令の改正について
- 近畿管内の鉱山概況について
- 最近の災害・鉱害発生状況について
- 第13次鉱業労働災害防止計画の実施状況について
- 令和4年度鉱山保安監督指導方針(案)について
議事概要
報告事項(1)について
委員からの主な意見等は、次の通り。
粉じん濃度測定結果等の鉱山労働者への周知について,保安教育の一環として自主的な対応になりますが,常時掲示だけでなく始業時ミーティング時等での口頭説明も要請されるのがよいでしょう。
(御意見等に対する考え方)
粉じん濃度測定結果の掲示等による周知方法は一例であり、鉱山・火薬類監理官による要請文(資料1-5)においては「保安教育及びリスクコミュニケーションの観点から効果的と考えられる方法で行っていただくことを要請します。」とされており、各鉱業権者が自鉱山に適した方法で周知を行うことを要請しているものです。
なお、該当鉱山においては、保安委員会、ミーティング又は保安教育において説明が行われていることを確認しています。
粉じん規制の強化については、各鉱山での対応の要否につき、分かり易い説明を望みます。
(御意見等に対する考え方)
粉じん規制強化については、令和3年度保安統括者会議(資料配付)において、規制内容別に対象となる条件を記載した資料を添付しましたが、令和4年度の保安統括者会議においてもあらためて説明致します。
報告事項(2)について
委員からの主な意見等は、次の通り。
休廃止鉱山の鉱害防止等工事費補助金交付に必要な経費は,今後休廃止鉱山の増加にともなって増加することが予想されますが,どのような見通しになっているのでしょうか。
(御意見等に対する考え方)
坑廃水処理を要する可能性がある鉱山は主に金属鉱山ですが、稼行中の金属鉱山の数は全国的に見ても少ないため、今後、休止あるいは廃止に至っても大幅に増加する可能性は低いと考えます。
なお、鉱害防止に必要な事業量は、金属鉱山等鉱害対策特別措置法に基づく「特定施設に係る鉱害防止事業の実施に関する基本方針」において計画期間(10年間)における事業量をとりまとめ、告示として公開されています。(平成25年3月28日 経済産業省告示第69号。期間:平成25年度~令和3年度。)
今後の10年間についても同様であり、現在データを取りまとめているところです。
報告事項(3)について
委員からの主な意見等は、次の通り。
今回罹災されたのは職務経験がまだ1年と,新人に近い方です。職場での安全教育は十分だったのでしょうか?
(御意見等に対する考え方)
鉱山保安法第10条において「鉱業権者は、鉱山労働者にその作業を行うに必要な保安に関する教育を施さなければならない。」と規定されており、鉱業権者は教育の対象者、程度及び方法を保安規程に規定し、新規採用者に対する全般的な教育、作業に要する教育及び再教育を行っています。
令和3年7月30日に発生した取扱中の器材鉱物等のためによる災害においては、当該の作業が一般的な器材の取扱いに係るもので、かつ非定常作業であったことから、災害等情報(詳報)(資料3-5)の【参考情報】において、作業手順等が定められているか確認するよう水平展開しています。
なお、危険に対する感受性を高めるためには、危険体感教育が有効とされているため、全国における危険体感教育実施機関の一覧表を経済産業省ウェブサイトに掲載し、その内容は管内鉱山に対し情報提供をしています。
ボールミル保安柵に関し、移動の必要がなくなった柵の形状を水平展開してほしい。
(御意見等に対する考え方)
当該鉱山の了解が得られれば、保安統括者会議資料において紹介します。
ゼロ災害を目指して,環境・安全・衛生に対する鉱山労働者自身の意識向上と自覚,事業者による可能な限りのフェールセーフ等を実現できる改善努力をお願いするより仕方がないように思います。
(御意見等に対する考え方)
鉱山労働者の保安意識の高揚のため、全国鉱山保安週間(毎年7月1日~7日)、鉱山保安表彰、全国で発生した災害情報の水平展開等の取り組みを進めています。事業者に対しては、鉱山保安マネジメントシステムの自己評価を利用してのコミュニケーションによる、リスク低減(フェールセーフ化を含む)の意見交換、他鉱山の優良事例の紹介等を行っており、今後とも各鉱山の状況に応じた助言を継続します。
ヒ素の排水基準超過が一件ありましたが,この当該鉱山では過去にもこのような超過があったのでしょうか? 今後の再発防止のために,原因を特定,あるいは特定に至らなくても最も可能性の高い要因を明らかにされるのが望ましいと思います。
(御意見等に対する考え方)
今回の基準超過に係る当該鉱山の施設については、同様の事象はなかったものと認識しております。
また、原水、施設及び作業内容に特段の異常(又は不備)が認められなかったことから、原因特定には至らなかったとして公表したものです。
しかしながら、当該鉱山においては、可能性のある要因を想定しつつ、現実的な対応策を検討の上、坑廃水処理工程の改善を図っています。
報告事項(4)について
委員からの主な意見は、次の通り。
目標達成が困難な状況になっている点については,残念ですが,14次計画の策定に向けて原因分析と対策を検討して頂けるとよいと考えます。
(御意見等に対する考え方)
第13次鉱業労働災害防止計画は令和4年度までであり、令和5年度からの第14次鉱業労働災害防止計画の策定に向けて、中央鉱山保安協議会において第13次計画の評価、発生した災害についての分析及び第14次計画における取組みの検討が行われるものと認識しています。
鉱山保安マネジメントシステムに関し,導入準備鉱山の数がここ3年間変わっていないのは,準備に時間が掛かっているためでしょうか? 導入準備から導入推進,本格導入と進展するのが望ましいと思われます。
(御意見等に対する考え方)
近畿支部管内における「導入準備鉱山」においては、鉱山労働者数が少ない等により、自己評価チェックリストの設問で示された内容が実施しにくい又は文書化が困難であることが原因と考えられます。
立入検査、地区鉱山保安部会等の機会を利用し、当該鉱山の自己評価においてチェックが入っていない項目について具体的な対応方法を助言しており、近畿支部管内鉱山の評価区分に大きな変化は見られないものの、令和3年度は令和2年度に比べ、各設問の平均点は全ての項目で向上しています。
今後とも立入検査等の機会に、少人数の鉱山における各チェックリストの考え方、設問内容と同等の取組み等の紹介を継続します。
鉱山保安MS自己評価点と災害発生件数とに関連性はありますか。
鉱山保安マネジメントシステムの導入によって重篤な罹災者が大幅に減少したなど,良い効果の例示は導入の一層の促進に役立つものと思われます。
(御意見等に対する考え方)
鉱山保安マネジメントシステムの導入状況と度数率の関係については、第12次鉱業労働災害防止計画の期間中のデータによると、本格的に導入を進めている鉱山ほど度数率が低い傾向にあります。
鉱山保安マネジメントシステムに係る優良事例については「鉱山災害を防止するためのハードとソフトの優良事例集」に掲載され経済産業省ウェブサイトにて公開されており、鉱山への立入検査や地区鉱山保安部会等において事例の紹介を行っています。
報告事項(5)について
委員からの主な意見は、次の通り。
保安意識の高揚を図るための表彰制度に加えて,各鉱山におけるGP(Good Practice)をWeb掲載だけでなく事業者および鉱山労働者が相互に紹介し合える機会が増えるとよいと思います。
(御意見等に対する考え方)
各鉱山におけるGP(Good Practice)は、全国鉱山分を「鉱山災害を防止するためのハードとソフトの優良事例集」として経済産業省ウェブサイトに掲載されていますが、鉱山への立入検査、近畿鉱業会の講演会及び地区鉱山保安部会等において優良事例の紹介を行っています。
各鉱山が相互に紹介し合える機会は、近畿鉱業会又は地区鉱山保安部会の場が適当と考えており、令和4年度鉱山保安監督指導方針(案)(資料5)における「4.当支部と関係団体等との連携・協働」の「近畿鉱業会、地区鉱山保安部会等との連携・協働」において、団体等に提案して参りたいと思います。
配布資料
資料番号 | 資料名 | PDF形式 |
---|---|---|
1-1 | 鉱山保安協議会の開催状況 | 81KB |
1-2 | 省令等の改正について(令和3年4月~令和4年2月)
|
169KB |
1-3 | 鉱山保安法施行規則の一部を改正する省令等について(呼吸用保護具) | 121KB |
1-4 | 鉱業権者が講ずべき措置事例の改正について(粉じんの処理) | 230KB |
1-5 | 粉じん濃度の測定結果等の鉱山労働者への周知の要請について | 214KB |
1-6 | 亜鉛含有量並びにカドミウム及びその化合物に係る暫定排水基準の見直し検討結果 | 509KB |
2 | 近畿支部管内の鉱山概況 | (委員限り) |
3-1 | 令和3年全国鉱山災害発生状況、参考グラフ(「各月時点の年別累計罹災者数」、「全国・近畿管内災害率の推移、事由別罹災者数の推移、事由別罹災者数割合」) | 579KB |
3-2 | 管内鉱山年別災害調(昭和25年~) | 26KB |
3-3 | 平成28年~令和3年近畿管内鉱山災害統計表 | 102KB |
3-4 | 平成31年~令和3年近畿管内鉱山事由別災害統計表 | 124KB |
3-5 | 令和3年近畿支部管内災害等情報
|
827KB |
4-1 | 第13次計画における目標の達成状況 | (委員限り) |
4-2 | 近畿支部管内鉱山における鉱山保安マネジメントシステム自己評価結果について | 1131KB |
5 | 令和4年度鉱山保安監督指導方針(新旧対照表)(案) | 210KB |
このページに関するお問合せ先
所在地:〒540-8535 大阪市中央区大手前1-5-44
電話:06-6966-6062(直通)
FAX:06-6966-6094
最終更新日:2024年3月1日