注意喚起の概要
近年、積雪により太陽電池発電設備(太陽電池モジュール及び支持物等)が損壊する事故が発生しています。昨年度、近畿管内でも西日本豪雪の影響等により、複数の太陽電池発電設備が積雪により損壊しました。同様の事故発生を防止するため、太陽電池発電設備の設置者におかれましては、適切な対策を取るようお願いいたします。

【図1 積雪により太陽電池発電設備が損壊するイメージ】
発生年月 | 事故概要 |
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令和4年1月 | 太陽電池発電所において、PCS、太陽電池モジュール及び架台が積雪により損傷した。調査の結果、JIS C 8955:2017が定める地上垂直積雪量を超える積雪により架台が倒壊し、太陽電池モジュール及びDCケーブルが損傷して短絡が生じ、PCSも破損したと推定される。 |
令和4年1月 | 太陽電池発電所において、太陽電池モジュール及び架台が積雪により破損した。原因調査の結果、JIS C 8955:2017が定める値未満の地上垂直積雪量を用いて積雪荷重を過小に計算し、架台の構造設計を行っていたため、積雪により破損に至ったと推定される。 |
令和4年3月 | 小出力の太陽電池発電設備において、架台が積雪により破損した。調査の結果、特定行政庁が定める地上垂直積雪量を超える積雪により破損に至ったと推定される。 |
不明(令和4年5月覚知) | 小出力の太陽電池発電設備において、太陽電池モジュール及び架台、PCSが積雪により破損した。原因調査の結果、特定行政庁が定める値未満の地上垂直積雪量を用いて積雪荷重を過小に計算し、架台の構造設計を行っていたため、積雪により破損に至ったと推定される。 |
積雪荷重を考慮した太陽電池発電設備の設計・施工について
「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令(以下「省令」といいます。)は、電気事業法
第39条第1項及 び第56条第1項の規定に基づき、太陽電池発電設備の太陽電池モジュールや支持物を対象として定めた技術基準であり、設置者は、技術基準に適合するよう太陽電池発電設備を設置し、維持することが義務付けられています。
太陽電池発電設備を新たに設置したり、変更の工事を行う場合は、最新の省令の規定に基づき、積雪荷重その他設置環境下において想定される荷重を考慮して、設計・施工を行ってください。 なお、省令に定める技術的要件を満たすものと認められる技術的内容については、「発電用太陽電池設備に関する技術基準の解釈」を御確認ください。
また、「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令及びその解釈に関する逐条解説」及び同解説に引用されている「地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン(NEDO)
」等も御参考ください。
保安管理の徹底について
積雪による損壊事故を防止するためには、定期的に設備を点検するとともに、必要に応じて除雪を実施するなど、発電設備の保安管理について徹底することが重要となります。特に、太陽電池アレイ面の下端部に作用する積雪による沈降荷重等の影響を受けるおそれがあることから、大量の積雪が予想される場合にはこまめな除雪を行ってください。
損壊してしまった時の対応
損壊した太陽電池発電設備は、接近すると感電するおそれがあるので、一般の住民の皆様も含めてむやみに近づかないようにしてください。特に、太陽電池モジュール(パネル)は、光が当たれば発電をすることがありえます。このため、素手で触ると感電するおそれがあります。周囲にロープを張るなど、関係者以外が不用意に立ち入らないような対策を行ってください。また、損壊した太陽電池モジュール及び支持物等の飛散による被害防止対策も行ってください。
被害の対処にあたっては、50kW 未満の太陽電池発電設備の場合は、販売施工業者等に、50kW 以上の太陽電池発電設備の場合は、選任されている電気主任技術者に連絡し、太陽電池発電設備に充分な知見のある者が作業を行うようにしてください。復旧作業等でやむを得ず取り扱う場合は、肌の露出のない服装かつヘルメット、ゴム手袋、ゴム長靴着用等の感電対策を行ってください。
産業保安監督部への連絡
太陽電池発電設備が損壊した場合、電気事業法の規定に基づき、設置者等による事故報告が必要となる場合がありますので、被害の発生を知ってから24時間以内に、所管の産業保安監督部へ報告してください。なお、近畿支部管内で発生した事故については、以下リンク先の記載事項に基づき、報告してください。
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最終更新日:2024年4月15日