概要

令和7年度、近畿支部管内の需要設備において、作業員が点検作業中に感電する事故が4件発生しています。特に、令和8年2月から3月にかけて3件(うち1件は死亡)の事故が頻発しています。

電気工作物の設置者及び電気保安業務に携わる皆様におかれましては、以下のポイントに留意し、感電死傷事故の未然防止に向けた取組の一層の徹底・強化をお願いいたします。

留意すべきポイント

1.作業内容が作業員全員に周知されているか

予定外の清掃作業を行ったことによる事故(事例1、2)が発生しています。いずれの事故においても作業手順書が整備されておらず、被災した作業員は、当該清掃作業が予定外であることや、充電範囲を十分に認識しないまま、充電部付近で作業を行いました。作業内容、作業分担、充電・停電範囲等を明示した作業手順書を作成し、作業前に作業員全員で内容を確認するようお願いします。

※事例は下表「令和7年度における点検作業中の感電死傷事故事例(近畿支部管内)」を参照。以下同じ。

2.充電部に近接しない作業計画となっているか

計画された作業手順が、高圧電路の充電部に近接する作業となっていたことによる事故(事例3、4)が発生しています。いずれも、事前に現場を確認し、作業箇所付近の充電部を把握し、停電しておくことによって、充電部に近接しない作業計画とすることが可能だったと考えられます。

3.充電部に対する防護は万全か

作業員が体勢を崩したことにより充電部へ接触した可能性のある事故(事例3)が発生しています。やむを得ず充電部に近接した作業計画とする場合には、充電部に対して絶縁用防具の装着、仮設防護措置の設置等、必要な安全措置を確実に講じてください。また、本来は施錠及び注意表示されるべき盤面が一時的に開放されていたことにより発生した事故(事例2)も発生しています。作業禁止箇所を作業員に周知することはもちろん、施錠管理、注意表示等も徹底するようお願いします。

4.作業員による安全確認は行われているか

作業員による検電が実施されていなかった事故(事例1、2、3)が発生しています。また、現場の監督者が検電したものの充電部が見逃された事故(事例4)も発生しています。作業手順書の内容にかかわらず、作業員は自らも危険予知を行い、作業箇所付近における検電を確実に実施するとともに、活線接近警報器(リストアラーム)の着用等もご検討ください。

5.電気主任技術者が監督しているか

上記のように整備した作業手順が遵守され、安全管理が徹底されるように、電気主任技術者は作業全体を監督するようお願いします。

令和7年度における点検作業中の感電死傷事故事例(近畿支部管内)

事例番号 発生年月 感電死傷 事故概要
令和7年11月 負傷 波及事故後の臨時点検にて、受電用遮断器を引き出して点検した後、作業員1名が受電盤内にある主回路付近の絶縁物を清掃しようとして、洗浄剤を染み込ませたウエスを右手に持って作業した際、充電中であった主回路に触れて感電負傷するとともに、アークが洗浄剤に引火して火傷を負った。当該受電盤は予備線側であり、引き出した遮断器の1次側は停電していたが、本線側は受電していたため遮断器の2次側は充電状態であった。当該作業員は充電状態であることを認識しないまま、予定には含まれていなかった清掃作業を実施した。また、本臨時点検は、保安業務担当者が不在の状態で実施されていた。
(参照:令和8年3月電気事故事例 2ページ)
2 令和8年2月 負傷 年次点検を実施中、協力会社の作業員1名が高圧の母線連絡盤内を清掃しようとして、充電中の高圧母線に触れて感電負傷した。当日は電気室内の高圧母線2系統のうち一方を停電し、母線連絡用遮断器を引き出して点検する予定で、盤内の清掃は作業対象外となっていた。元請会社(主任技術者を含む)は作業前、母線連絡盤を施錠し、盤面にトラロープで注意表示を行っていたが、作業を実施する協力会社の責任者は、母線連絡用遮断器を点検のため引き出した後、扉を施錠しないまま一時的に作業箇所から離れた。その際、協力会社の作業員が、予定には含まれていなかった盤内の清掃作業を実施した。作業内容は、元請会社と協力会社の責任者が事前にミーティングで確認していたが書面では共有されず、協力会社では作業手順書を作成していなかったため作業員は作業内容を正しく認識していなかった。
(参照:令和8年3月電気事故事例 3ページ)
3 令和8年2月 死亡 年次点検を実施中、電気管理技術者を補助する作業員1名が、自立型PASの2次側に接続される高圧ケーブルの絶縁抵抗測定を行う際にPAS1次側の充電部に触れて感電し、死亡した。電気管理技術者が所属する協会の年次点検作業手順書には、自立型PASの場合の手順がなかったため、柱上のPASを開放する手順にならい、電力会社開閉器を開放せずに作業を行った。このため、高圧の充電電路に近接した作業を実施することとなったが、充電電路への絶縁用防護の装着や作業員への絶縁用保護具の着用はなされず、また、電気管理技術者による注意もなされないまま作業が実施された。作業箇所は停電した電気室内のため暗く、また、自立型PASを格納した開閉器盤前のスペースは狭く、作業員は体勢を崩して充電部に触れたと推定されるが詳細は不明。
(参照:令和8年3月電気事故事例 1ページ)
4 令和8年3月 負傷 年次点検にて、キュービクル内の高圧ケーブル接続部を外してケーブル絶縁診断を行った後、ケーブルを再び接続する際、高圧(3.3kV)で充電されていたサージアブソーバーに工具が接触し、作業員1名が感電負傷した。キュービクル内の高圧母線は充電中で、接続作業箇所は高圧母線から離れていたものの、作業箇所の近くにあったサージアブソーバーは高圧母線に接続され充電されていた。現場の監督者は接続作業前にケーブル及び周辺を検電していたが当該事故点は検電しておらず、作業員は充電部が近くにあることを認識しないまま接続作業を行った。
(参照資料は準備中)

このページに関するお問合せ先

中部近畿産業保安監督部近畿支部 電力安全課 自家用係
〒540-8535 大阪市中央区大手前1-5-44
大阪合同庁舎1号館2階
TEL:06-6966-6047(直通) 
FAX:06-6966-6092
mail:bzl-jikayou-kinki(アットマーク)meti.go.jp
※メールアドレスの(アットマーク)は@に置き換えてください。

最終更新日:2026年3月30日